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  1. 佐賀県議会 2004-03-12
    平成16年産業常任委員会 本文 開催日:2004年03月12日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時三分 開議 ◯岸本委員長=おはようございます。ただいまから産業常任委員会を開催いたします。  昨日に引き続き質疑を行います。通告に従い、順次発言を許可します。 2 ◯中倉委員=おはようございます。自民党の中倉でございます。きょうは、楢崎委員と私の二人でございますから時間はたっぷりとあるようでございますが、ゆっくり、急いでやりたいと思います。  まず、経済部の方からお尋ねをいたしたいというふうに思います。  企業誘致の推進について最初にお尋ねいたします。  この企業誘致推進については、私は、十二月の議会でもお尋ねをいたしました。過去にも何度か質問いたしておりますが、企業が進出することによって雇用が生まれて、そして、地域経済に活力が出てくるということでございますから、これはどこの県についても必死に取り組んでおられると、県同士の熾烈な戦いでもあろうというふうに思っております。  前回質問した中で、誘致活動について新たな制度創設ができないかということでお尋ねをしておったところであります。新年度に新たな施策として計上されております。これからが本番だろうというふうに思います。  これまでも申し上げましたように、行政と民間とが連携して誘致活動をするわけでありますが、その前に情報収集の活動というのが一番大事になってくるというふうに私は思っております。  過去にも、何千社という企業のアンケートをとられておると思います。たしか一万何千社かあったかというふうに思うんですがね。それも大事ではありますが、まずは生の情報を得るということが一番大事になってくるだろうと。各事業所が何を求めているかということ、このことを知る必要があろうかというふうに思います。  それには、職員の方だけでは到底できないというふうに思っております。そこで、民間のノウハウを利用してといいましょうか、生かしてといいますか、そういうことで、その情報をもとに職員で分析して手を打っていくということ、このことが大事になってくるというふうに思います。  景気は上向き、本県の財政は下向きという状況の中でありますから、ここはもう民間の企業に頑張っていただかなければならないというふうに思っておるところでありまして、民間の活用策を最大限に使って、ぜひその実現に向けていただきたいということでお尋ねをいたしたいというふうに思います。  まず最初に、企業誘致の実績についてお尋ねをいたします。  これは前回、十二月にもお尋ねをいたしておりまして、非常に苦戦をされておるというふうに聞いておりますが、過去三年の誘致件数の推移というものがどのようになっているのか、まずこれをお尋ねいたします。 3 ◯田中産業振興課長=過去三カ年の誘致件数の推移につきましては、これは歴年でございますが、平成十三年が九件、平成十四年が十二件、平成十五年が七件となっておりまして、この三年間で二十八件、年平均九件の実績となっております。  これらの業種別内訳を見ますと、食料品等製造業が四件、これは全体の一四%を占めております。それから、電気機械器具製造業が三件、一一%でございます。それから、輸送用機械器具製造業が三件、これも一一%。それから、金属製品製造業が二件、七%となっております。 4 ◯中倉委員=前回、十二月の議会でお尋ねしたときに、十五年の分がたしか五件と聞いておったんですが、七件ということで二件ふえているようですが、これは十二月の段階で二件ふえたということ、そう理解してよろしいんですか。 5 ◯田中産業振興課長=昨年十二月末に二件、進出が決定しております。 6 ◯中倉委員=その二件の業種が、どこに進出されたか、わかりますか。 7 ◯田中産業振興課長=一つが神埼町に、メークスという会社でございまして、これが住宅用の基礎鉄筋を製造する会社でございます。それから、鳥栖市に八幡ねじという会社がございまして、これはねじの加工販売業を行う会社でございます。
    8 ◯中倉委員=神埼と鳥栖の方ですね。伊万里の方では聞いてなかったものですからですね、ぜひ伊万里の方にもお願いしたいというふうに思っております。  二番目に、企業誘致を取り巻く現状の認識についてお尋ねいたしますが、企業誘致を進めるに当たって、これは我が国の景気はもちろんですが、本県の立地環境と、それから産業界の立地動向、このことを十分踏まえて対応することが必要というふうに思いますが、県としてその辺のところをどのように認識しておられるか、お尋ねいたします。 9 ◯田中産業振興課長企業誘致を取り巻く現状認識についてでございますが、本年二月の月例経済報告によりますと、景気は設備投資と輸出に支えられ、着実に回復しているとされております。特に、設備投資は、企業収益の回復や資本ストックの調整の進展等を受けて増加しているとされております。  また、企業誘致を取り巻く環境につきましては、初期投資の抑制、借地型の立地、国内立地の優位性の低下、国内生産拠点の集約、再編といった特徴がございまして、これらの傾向は、いまだ変わらないものの、企業を訪問する際には新たな投資や立地検討の話も出てくるようになっておりまして、今後、企業の活発な動きが出てくるものと考えております。  こうした中、本県の企業立地環境につきましては、一つには、福岡都市圏に近く、九州内の交通の要衝に位置していること。それから、優秀な労働力が豊富であること。地震等の災害が少ないこと。海や空の物流拠点、伊万里港や唐津港、あるいは有明佐賀空港を有すること。それから、最先端の試験研究施設といたしまして、東に九州シンクロトロン光研究センター、西に佐賀大学海洋エネルギー研究センターを有することなど、他県よりすぐれた立地環境を有していると認識しておりまして、こういった優位性を積極的にPRいたしまして立地勧奨を行っているところでございます。 10 ◯中倉委員立地環境は割といいのかなというふうに思っておりますが、その中で、優秀な労働力ということを言われましたが、この件については後ほどお尋ねいたしたいと思います。  そういうことで、次に民間活用策の内容についてお尋ねいたしたいと思います。  企業誘致を取り巻く現状認識を踏まえて検討したその施策というのが、今回計上されている民間の活用というふうに思いますけれども、具体的にどのような施策を展開していこうとされているのか、お尋ねいたします。 11 ◯田中産業振興課長=企業の設備投資意欲が増加している今日、それを企業立地に結びつけるためには、企業の立地動向に関する情報を迅速かつ詳細に把握し、個々の企業のニーズに応じた誘致活動を行うことが極めて重要であると認識しております。  そこで、行政では限界がございます広範囲の情報収集を可能にし、あわせまして民間における企業誘致のノウハウを活用するため、民間の人材を活用して効果的な企業誘致を図りたいと考えております。  具体的には、業界に精通しました民間のノウハウや情報網を最大限に活用するため、企業誘致プロフェッショナルマネジャーの設置と、誘致プロジェクト専門員によります情報収集委託事業の実施によりまして個々の企業のニーズに対応するなど、いわば時代の潮流に合わせた新たなスタイルの誘致活動を展開してまいりたいと考えております。 12 ◯中倉委員=その中で今回提案をされておられるわけですが、企業誘致プロフェッショナルマネジャーということについてお尋ねしたいんですが、まず、このプロフェッショナルマネジャーというのはどのような人材を想定されておられるか、このことについてお尋ねいたします。 13 ◯田中産業振興課長企業誘致プロフェッショナルマネジャーの人材につきましては、行政にはない情報収集のセンスや企業へのアプローチ方法など、豊富な経験や知識を有し、かつ幅広い人的ネットワークを持った指導力のある民間の人材を想定しております。  具体的には、企業動向に精通しております商社マン、あるいはアナリスト、コンサルタント、こういった者を考えております。 14 ◯中倉委員=そしたら、この方たちをいつごろから、どこに、何人ぐらい配置をされるのか、その件についてお尋ねいたします。 15 ◯田中産業振興課長企業誘致プロフェッショナルマネジャーの配置につきましては、四月に入りましてから選定に入り、六月を目途に県の非常勤嘱託といたしまして一名採用したいと考えております。配置先につきましては、企業本社が集中します首都圏を中心に誘致活動を展開していくため、東京事務所を予定しております。 16 ◯中倉委員非常勤嘱託で一名ということでありますが、資料を見ますと非常勤嘱託で課長級ということを書いてなかったですかね、そうだったと思うんですが、その辺のところはどうですか。 17 ◯田中産業振興課長=課長級の非常勤嘱託員として採用する予定です。 18 ◯中倉委員=このプロフェッショナルマネジャーにどのような役割を県として期待をされておられるのか、お尋ねいたします。 19 ◯田中産業振興課長企業誘致プロフェッショナルマネジャーに期待する役割につきましては、一つには、経済・産業界の動向や佐賀の立地環境などの現状分析や将来予測に基づきました誘致戦略の設計をしていただくこと。それから、本庁、東京事務所大阪事務所に各誘致担当職員がおりますが、そういった職員に対する誘致活動のノウハウの指導。誘致プロジェクト専門員による企業訪問の結果、分析と企業へのアプローチ方法の検討。それから、業界の情報や人的ネットワークを生かした企業誘致活動など、幅広い業務を期待しております。 20 ◯中倉委員=課長級ということになりますと、東京事務所とか、そういうところに配置されて、そして、いろんな指示を与えるということになるのかなというふうに私は感じているんですが、それも大事でしょうけれども、県の職員も、その道のプロフェッショナルというふうに私は思っておりますから、必ずしも、そういう人たちの指導だけではなくて、そういった部分もいろいろ聞いて、逆にいろいろな指示も与えてやるような、そういうふうな形をぜひとってもらいたいなというふうにも実は思っております。  今言われた企業誘致プロフェッショナルマネジャー、それから誘致プロジェクト専門員とあるわけですよね。この専門員による情報収集も予定されておるというふうに聞いておりますが、プロフェッショナルマネジャーとの違いといいますか、これはどのように違うんでしょうか。 21 ◯田中産業振興課長=これまで新規に誘致活動、企業の掘り起こしを行う場合につきましては、企業へのアンケート調査、あるいは金融機関など関係業界からの情報収集等によりまして立地情報を得まして企業訪問を行っておりましたが、体制的な面もございまして、訪問数には一定の限界がございました。  そこで、さらに本県への進出可能性のある企業掘り起こしを行うに当たりまして、営業経験者等でございます誘致プロジェクト専門員によるローラー作戦ともいうべき企業への一斉訪問を民間の調査会社、あるいは人材派遣会社に委託することとしております。  誘致プロフェッショナルマネジャーとの違いにつきましては、プロフェッショナルマネジャーは先ほど申し上げましたように、非常勤嘱託として県に採用されることに対しまして、誘致プロジェクト専門員は県から業務委託を受けました民間調査会社等が抱える人材として活動してもらうこととしておりまして、東京で三名、大阪で一名、合わせまして四名にお願いしたいと考えております。  なお、本県におきましては、こうした誘致プロジェクト専門員企業訪問活動の結果を受けまして、企業誘致プロフェッショナルマネジャーが中心となり、立地可能性の見極め、あるいはアプローチ方法の検討を行いまして、立地実現に向けて職員一丸となった誘致活動を展開してまいりたいと考えております。 22 ◯中倉委員=東京三名、大阪一名で、これは委託をしてローラー作戦をするということであります。確かに、先ほど私が申し上げましたように、県として、たしか一万何千社かにアンケート、ダイレクトメールとか出されておりますが、それも確かに大事でありますが、こういった形でローラー作戦的な形で企業に直接一回当たっていただいて話を聞くということ。一回、顔を合わせて当たっておけば、後は電話なり、ファクスなり、アンケートをとるにしても、やはり相手との接触がしやすくなるんですよね、一回顔を合わせておけば。そういった意味でローラー作戦で直接当たってもらうようにされるのかなというふうに私は感じたわけですけれども、そういったことが生の情報が確かに得られるというふうに思いますから、ぜひ有効に生かしていただきたいなというふうに思います。  東京に三名、大阪に一名ということでございましたけれども、この誘致活動をされるに当たって、これまでの誘致活動を見ますと、首都圏、関西、中京だけではなくて、広くほかの地域からの立地もしているわけですね。現に、伊万里でもそうです。東京、大阪からだけではないわけですね。そういったところで民間活用も含めた誘致活動の展開をどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。 23 ◯田中産業振興課長=今、御指摘がございましたように、これまで本県に進出した企業の本社所在地は、首都圏や関西、中京以外に福岡、あるいは広島など、ほかの地域にあるのが実情でございます。  これまでの企業誘致活動につきましては、本庁職員が中心となりまして、全国の企業を対象に、東京事務所、あるいは大阪事務所と連携して取り組んでまいりましたが、新年度からの体制といたしましては、誘致活動の一層の拡充を図るため、民間の人材活用を含めまして、企業誘致担当職員を増員することとしておりまして、東日本と西日本の二つのグループに分けて誘致を行うこととしております。  西日本グループは、本庁及び大阪事務所で組織いたしまして、中部、中京より西を誘致活動のエリアとする予定でございます。  それから、東日本グループは、東京事務所で組織しまして、関東より東を活動エリアとし、それぞれ各地での立地案件に対して機動的かつより密度の濃い効果的な誘致活動を展開してまいりたいと考えております。 24 ◯中倉委員=今回初めて本県でも民間活用という形でされるのかなというふうに思っておりますが、これは他県でもそういう形で、方法はいろいろあると思いますが、そういう形で取り組まれておるというふうに思うんですが、民間活用について、ほかの県で導入の例とか、その成果がどのようになっているのか、その辺のところをお尋ねいたしたいと思います。 25 ◯田中産業振興課長=他県での民間活用の事例といたしましては、銀行や商社のOBなど営業経験者誘致活動専門非常勤嘱託員などとして採用している事例がございます。  また、誘致活動自体人材派遣会社、あるいはコンサルタント会社に業務委託している事例も見受けられます。  いずれの事例とも、業務内容は、企業訪問による立地可能性のある企業の掘り起こしでございまして、該当する案件が出てきた場合に県職員への誘致活動の引き継ぎがなされております。  こうした取り組みの成果といたしまして、進出の決定、あるいは検討段階に至った企業もあると聞いております。  なお、本県におきましては、こうした成果に加えまして、先ほど申し上げましたように、企業誘致担当の県職員に対する誘致活動ノウハウ指導などにより、県職員の誘致に関する全体のスキルアップ効果も期待しているところでございます。 26 ◯中倉委員=それでは、次に、この制度を活用されて取り組まれるわけですが、大きな成果に向けての目標というものをどのように設定されておられるのか、お尋ねいたします。 27 ◯田中産業振興課長=近年の景気動向におきまして、誘致件数の大幅な増加を図ることは非常に難しいと考えておりますが、地域経済に寄与する優良企業の積極的な導入を目指しまして、過去の誘致実績を参考に、年間誘致目標として誘致件数十件、それと新規雇用者数六百人ということで目標を設定しております。 28 ◯中倉委員=目標件数は十件ということでありますが、年平均が九件ということでございまして、一件しかふえていないわけですが、もっともっとふえるようにお願いしたいと思います。  六百人に対しては、これは一つの事業所の規模によって相当違いますよね。鳥栖のプレミアム・アウトレットだけでも何百人でしたか、相当な効果ですよね。ですから、そういった意味では非常に効果的だろうというふうに思っております。  そこで、効果的な誘致施策についてでございますが、私の前回の質問で、民間を利用して、それが成約に結びついた場合に成功報酬制度といいますか、そういう形で取り組むことができないかということでお尋ねしたわけでありますが、今後の対応として、そういった成功報酬制度等も取り入れて効果的な誘致活動をするということの検討もこれからの課題だろうというふうに思いますが、その件についてどのようにお考えか、お尋ねいたします。 29 ◯田中産業振興課長=このたびの民間からの人材登用、あるいは情報収集事業の委託に当たりましては、これまでの実績や人的なネットワーク企業動向に係る情報の集積、誘致に係る取り組み意欲などの観点を十分考慮して選定するなど、効果的な実施が図られるよう取り組む必要があると考えております。  また、誘致プロジェクト専門員による企業訪問結果等につきましては、定期的な報告書の提出を受けまして戦略を練りながら最善のアプローチ方法を検討するなど、可能な限り効果的な取り組みを目指していきたいと考えております。  しかしながら、御指摘のように、プロフェッショナルマネジャー等の活動成果がより一層大きなものとなるような手法を検討することも重要なことと認識しておりまして、今後、成功報酬などのインセンティブ導入についても検討してまいりたいと考えております。 30 ◯中倉委員=ぜひ誘致ができて雇用ができますようにお願いしたいと思います。そういった情報をとるのが一番大事であって、逆に、そういう方々から情報が漏れないように、その辺のところもやっぱりお願いしたいというふうに思っております。佐賀県ではなくて、せっかくの情報をよそに持っていかれては何にもなりませんから、そういうところの管理もぜひお願いしたいなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。  それでは、二番目の質問に移りたいと思いますが、アジアにおける貿易の振興についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。  我が国におきましては、平成二年にバブルが頂点に達して、それから一気に下り坂になってから、もう十四年がたとうとしているわけです。ここ数年は景気は横ばいとか、底をついたというふうに言われてきました。しかし、横ばいとか底をついたということでは景気はよくならないわけで、やっぱり上向きにならないと、やっと今、上向きという言葉が使われてきたなというふうに思っております。  しかしながら、先ほど申し上げましたように、上向きになっても本県の財政は下向きに今後なっていくということを知事も言われております。しかし、今、幾らか上向きになっているという部分についても、これはもう日本の自力でよくなっているんじゃないだろうと実は思っております。アジアが元気を出しておりますから、それに引っ張られている部分があるんじゃないかなというふうに私は思っております。  これまでアメリカがくしゃみをすれば日本が風邪を引くというふうに言われておりましたよね。今は、アメリカがくしゃみをすればアジアが風邪を引いて、日本は肺炎になるというふうに言われております。ところが、今はアジアが元気を出しておるということでありまして、世界各国が中国初め、アジアに目を向けて貿易、それから投資に力を入れてきているという状況であります。  我が国でもそうでありますが、各県ともにアジアとの貿易や投資に注目をしておって、私は一般質問でも申し上げましたが、活動の拠点をアジアに設置をしているところもありますし、また、さらにふやそうとしているところもあります。  本県は、アジアに向けての玄関口でありまして、先にこれを取り組まなければならないというふうに思っております。景気は下向きでありますから、そこのところはこれから県内の企業に頑張ってもらわなければならないわけで、そういうことから県内の企業の貿易の振興は大変重要というふうに思いますので、お尋ねをいたしたいというふうに思います。  まず最初に、本県とアジアとの貿易の動向についてでございますが、本県とアジアとは、地理的に、そして文化的にも近い上に、アジアは現在多くの人口を抱えて、また、近年、比較的高い経済成長を続けております。  このような本県とアジアとの貿易額及び主な貿易品目はどのようになっているのか、これをまずお尋ねをいたします。  そして、そのうち、経済成長が著しい中国との貿易額、そして、主な貿易品目について、あわせてお尋ねいたしたいと思います。 31 ◯山田観光課長=本県とアジアの貿易動向でございます。  平成十四年佐賀県貿易白書によりますと、アジアとの輸出入総額は八百三十七億円となっております。これを平成五年の六百九十七億円と対比いたしますと、約一・二倍となっているところでございます。  主な輸出入品目としましては、輸出では電気・電子機器が第一位であり、二位が金属加工製品、三位が船舶となっております。輸入では、電気・電子部品が一位であり、二位が金属加工製品、三位が飲食料品という順になっております。  また、アジア向け輸出のうち、中国との輸出入総額でございますが、二百十五億円となっております。これを同じように平成五年の輸出入総額百三億円と対比いたしますと約二・一倍となっているところでございます。  主な輸出入品目といたしましては、輸出では電気・電子機器が一番多く、二位が金属加工製品、三位が一般機械という順になっております。輸入では、電気・電子部品が一番多く、二位が飲食料品、三位が衣料品その他というふうになっております。  本県とアジアの貿易に占める中国の割合は、輸出入総額で二五・七%と大きな比重を占めておりまして、中国は佐賀県にとってアメリカに次いで二番目の貿易相手国となっている状況でございます。 32 ◯中倉委員=相当伸びておるわけですね。全体で八百三十七億円で一・二倍、中国で二百十五億円、二・一倍ということでありまして、このことは喜ばしいことであります。  中国と本県との貿易状況でありますが、全体からすれば、輸出の方が六十億円ぐらい多いですよね。これは大変ありがたいことです。伊万里の場合、港だけを考えますと、これは逆に輸出が大変少ないわけなんですね。その辺のところをどうするかということでいろいろ苦労しておるようでございます。  今、製品の中では、金属加工品なんか相当多いわけでありますが、実はおとといでしたか、私のところにシリコンウエハーの会社の方が来られまして、実は事業を拡張したいということで、車両等が一日に何百台通るから対応してほしいという御相談でございました。  そのときにいろいろ聞いておりましたら、二年ぐらい前でしたか、社屋だけでも二百数十億円かけて、機械等設備を入れて大体七百億円ぐらいの投資をされているんですね。ところが、二年ぐらいしかたたないのに、実はその倍の能力をしなければならない、シリコンだけでもですね。月産二十万枚の大きな工場をつくっていながらも、実は四十万枚をつくるような施設にしなければならないということでありました。対応はどこですかと聞きましたら、アジアだということでございました。アジアに向けてということで拡張をするんですよということで、急がねばならないというような話をおととい聞いたわけです。  ところが、社会状況には波がありますから、そのときにすぐ対応しなければならないという部分と、しかし、下火になったときには社員も削減しなきゃならないと、こういう状況があるわけなんですね。でも、今、アジアが非常に元気を出していますから、そういった意味では製品の輸出だけではなくて、実は、今、韓国語を習っているんだということでございました。有田の方に兪華濬さんという韓国の方がおられますよね、その方に来ていただいて特訓をしているんだというふうに言われておりました。大変ありがたいというふうに思っております。  そういった中で、日本と、本県と貿易をするについては、そういう言葉の問題から実はいろんな苦労があるわけでございますが、そこで、二番目の海外委託駐在員についてお尋ねをいたします。  このことについては、駐在員がどういう形でおられるのかということを私は全く知りませんでした。こういったことで駐在員もおられるんだというふうに聞いたわけなんですが、この駐在員制度の概要についてお尋ねいたしたいと思います。  アジアの各地域の情報収集、本県産品の販路拡大、商談会のあっせんなど、県内企業の貿易・投資の支援等のために、県では海外駐在員制度というのが設けられているというふうなことでありますが、この制度の概要について、どのようになっているのか、まずお尋ねをいたします。 33 ◯山田観光課長=海外委託駐在員制度の概要についてでございますが、海外委託駐在員は、県内企業の貿易・投資等の各種海外取引を支援し、県経済・産業の国際化を図るとともに、県の国際化施策の円滑な展開や観光を含めた県のPRを行うことを目的としております。  委託駐在員は、東南アジア諸国の経済発展等を背景に、平成二年に香港に配置されましたのを契機に、その後、平成三年に台湾と韓国に、平成五年にはマレーシアに設置したところでございます。  その後、中国が沿岸部を中心に急速な発展を始めたことなどから、平成八年には中国の北京、上海にも駐在員を設置したところでございます。  現在では、中国の北京、上海に財団法人日中経済協会の日本人事務所長がそれぞれ一名、韓国のソウルには貿易会社を経営する韓国人を、台湾の台北には会計士事務所の代表者である台湾人を、そして、タイのバンコクにはタイ国佐賀県人会の事務局長に駐在員をお願いしておりまして、合わせて三カ国一地域の五カ所に駐在員を配置しているところでございます。 34 ◯中倉委員=結構おられるわけですね。この方たちは全部現地の方なんでしょうか、その辺のところをお尋ねしたいんですが。 35 ◯山田観光課長=それぞれの駐在員につきましては、北京、上海は財団法人日本経済協会の日本人事務所長ということで日本人の方でございます。韓国は韓国の方、そして、台湾は同じく台湾の方、タイは佐賀県人会の事務局長ですので日本人の方にお願いをしております。 36 ◯中倉委員=それでは二番目に、駐在員の活動内容と、その主な成果についてどのようになっているのか、お尋ねいたします。 37 ◯山田観光課長=海外委託駐在員につきましては、県内企業等から委託を受け、現地に関する情報収集、本県産品の販路拡大、海外製品等の輸入、委託生産等のあっせん、取引先の信用調査及び市場調査などを行っており、利用企業からも評価をいただいているところでございます。  主な成果といたしまして、平成十五年度活動状況の本年二月までの結果でございますけれども、県内企業への現地企業の紹介が二十四件、取引相手先の調査が十件、現地情勢の定例報告が十五件、各種情報提供等が四十三件、合計九十二件の県内企業等に対する支援を行っているところでございます。  これを国別に見ますと、中国が四十二件、韓国が二十三件、台湾が十六件、タイが十一件となっており、特に中国の委託駐在員の利用が格段に多いところでございます。  また、これまでの成果といたしましては、台湾の委託駐在員による商談のアレンジをきっかけとした碍子や有田焼の輸出、また、台湾からのガラス製品の輸入があったほか、韓国の委託駐在員による商談のアレンジをきっかけとした韓国への碍子の輸出などがございまして、平成九年度からの累計で約十億四千万円の成約実績が上がっているところでございます。 38 ◯中倉委員=問い合わせが結構あっておるようでございまして、大変ありがたく思っております。  そして、貿易振興のための取り組みについてですが、どのような取り組みを行っておられるのか。そして、今後、どういう形でその取り組みを進めていこうとしておられるのか、お尋ねいたします。 39 ◯山田観光課長=本県では、貿易振興のため、社団法人佐賀県貿易協会と協力し、貿易関連情報の提供や、または窓口相談や専門家による個別貿易相談の実施、各種貿易投資セミナーの開催、また、貿易実務の初心者を対象とした国際ビジネスマン養成講座を開催、さらには、留学生を活用し、企業の貿易活動の支援を行います国際貿易留学生活用事業の実施、また、九州各県と共同しての海外見本市を開催、さらに、経済ミッションを派遣するなど、さまざまな事業を実施しているところでございます。  中国を初めとするアジア地域の発展が今後予想されておりますけれども、県としましては、今後とも、貿易協会と連携を図り、個別相談事業等の強化などを行いながら県内企業を支援し、本県貿易の振興に今後とも積極的に取り組んでいきたいと思っております。 40 ◯中倉委員=力を入れて取り組んでいただきたいんですが、駐在員の相談件数だけでも九十二件あっているということでありました。十億円ぐらいの実績を上げておられるということも理解できるわけです。県内企業でもいろんな相談があって、その相談の中には、佐賀県ではもうどうにもならないから中国に行くんだという部分と、中国でもそういった部分を拡大したい等、いろいろあると思うんですね。ですから、そういった照会をされるに当たっても、県内の事業といいますか、県内の活性化のためになるように、こっちから出ていって空洞化になるようでは何にもならないわけでありますから、そういった部分では、そこのところも頭に入れながら、そういういろんなセミナー等もしていただきたいというふうに思っております。  そういうふうな形で企業の考え方もさまざまでしょうから、県としても、そういった部分では簡単にできない部分はあるというふうに私は思っております。思っておりますが、根底にはそのことを頭に置いていろんな対応をしていただくことが県内の活性化になるというふうに思っておりますので、ぜひこれはそういう形でとらえていただきたいというふうに思っております。  次に、佐賀県版のデュアルシステムについてお尋ねをいたします。  この件については、きのう、伊藤議員の方からも質問があっておりました。私も昨年の十二月議会で教育連携型の実践システム、日本版デュアルシステムの導入についてお尋ねをいたしました。そのときに経済部長の方から、勤労意欲を持たせるために教育の中でジョブトレーニングをしていく必要があると、そういう方向で実現に向けてぜひ検討したいという御答弁をいただきました。検討したいということでございましたから、これはしばらくかかるのかなと思っておりましたが、新年度事業にこれを盛り込んでおられるようであります。  これは本来であれば、ドイツで行われておりますマイスター制度というのがあるんですが、小学生のうちから職業意識というものを持たせるということ、このことが青年になったときに目的を持って就業することができるわけでありますが、そういう体制をしておるわけでございます。  今、社会の状況は大変厳しい状況にあるわけで、雇用においても、これもきのう質問があっておりました。年間の完全失業率が五・三%、そのうち二十四歳以下が一〇・一%ということであります。これは若い人の十人に一人は仕事についていないということになるわけですね。雇用情勢が厳しいということについては、これはもう企業が厳しい環境にあるということでありますから、企業側においても経営の長期戦略を立てられない、そういった状況であって、これは短期的に即戦力というものを重視する方針を立てなければならないというふうになるわけなんですね。  先ほど私が申し上げましたように、早急に増設をしたいということで、さらに大きな社屋をということで、倍の形にしたいということでありますが、しかし、そこには従業員というのは実はそうふえないんです。どうされますかと聞いたら、結局、派遣社員で何百人と雇用すると。既に雇用のあれに入っていますけどね、正社員じゃないわけですね。長期戦略が立てられない部分がありますから、一たん下火になれば、そういう方々はすぐにでも、瞬時にして何百人と切るような形ですね。企業としても、そういう形で取り組みをされておるようであります。これはそういった企業だけではなくて、ほかの部分もそうですが、採用を抑制して、そして経験の豊かな方を中途採用するという部分もあるわけなんですね。そういうことが新規求人の場合、高卒であれ、大卒であれ、非常に難しくなってきているということから、新卒のフリーターの増加にもつながっているというふうに思っております。  きのう、伊藤議員の方から質問があっておりました。フリーターが二百九万人ということでありまして、これは私が前回聞いたときも二百九万人ということでありました。つい先日、NHKやほかの報道では四百万人を超しているということが言われておりました。これはいろいろな調査の方法で違うと思うんですよ。本当にどういう形で調査をされているのかなというふうに私も実は思います。  去年、私が質問したときもそうですが、何カ月かのうちに四百万人という数字になるとは、そうは考えられないわけですから、調査の方法が、すべてを入れて恐らくそういう形かなと。ただ、六年後の二〇一〇年には四百何十万人になるという試算も出ておるわけなんですね。そういうことがずっと続いていくことになれば、企業の活力もなくなってくるわけなんですけれども、若年層の職業能力の開発の可能性というのもだんだん小さくなってくるということになるわけですね。  そういうことで、文部科学省の方でも、これは私は一般質問でも申し上げましたが、専門高校強化のための日本版のデュアルシステムを新年度からすると。全国で十二の高校をモデル校として選定するということになっておるようでありますが、そういう形で徐々にやっていくということであります。しかし、厚生労働省の方においては、今言いましたように、待ったなしの状況ですよね。そういった意味で教育連結型の実践訓練システム、日本版のデュアルシステムということを実施されるというふうに聞いております。  本県においては、他県に先駆けて、新年度に企業実習と一体となった職業訓練としての佐賀県版のデュアルシステム事業を提案されておりますが、この取り組みに当たって、具体的な問題についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。  まず最初に、佐賀県版デュアルシステムのねらいについてお尋ねをいたします。 41 ◯山口労働課長=お答えいたします。  今、議員おっしゃいましたように、現在、フリーター、それから若年の失業者、無業者が極めて増加している現状にございます。一方では、少子・高齢化の急速な進行によりまして若年人口が著しく減少しているという状況もございます。つまり若年者が減っている上に働かないという状況がございまして、将来、経済社会基盤の崩壊にもなりかねない状況にあります。そこで、若年者の就労対策が急務となっているところでございます。  このため、県では、若年者の働く意欲を促しながら、企業ニーズに即応した実践力を付与するために、企業適応力を判断した上での雇用を可能にするということからデュアルシステム、つまり座学教育と企業におきます実務訓練との組み合わせによる実践的な職業能力の習得を目指す制度を導入いたしまして、若年者の職業意識を高め、職場定着を図ることとしているところでございます。
     その訓練科といたしまして、若年者を対象としたWebデザイナー養成科というものを設立いたしまして、佐賀の新しい産業としてのデジタルコンテンツの基盤形成に貢献できる人材の育成ということをねらいとしております。 42 ◯中倉委員=この訓練の対象者と、その確保ということでお尋ねいたしますが、ウエブデザイナーの養成を今回されるわけでありますが、積極的に応募をしてくれたらいいわけでございますが、どのような若年者を対象とされて、その確保はどういうふうにされるのか、その件についてお尋ねいたします。 43 ◯山口労働課長=お答えいたします。  訓練対象者といたしましては、三十歳以下の若年者で、学校卒業後に不安定就労を繰り返している者などで、安定就労のために必要な能力を身につけることを希望する者としているところでございます。  この訓練生の確保につきましては、ハローワークを中心に募集活動を行うこととしておりますけれども、ワークステーションSAGAの活用ですとか、高校、大学等の教育機関、労働局や雇用・能力開発機構等の関係機関とも連携をいたしまして訓練対象者の確保を図っていきたいと思っております。 44 ◯中倉委員=フリーターも相当たくさんおりますから、応募も相当あるのではないかなというふうに私は思っておりましたが、これもいろいろ問題があるようでございます。確保についてハローワーク等も含めてされるということでありますが、どうなんでしょうか、大変難しい点もあるんでしょうか、その辺のところをお尋ねいたします。 45 ◯山口労働課長=現実的に、今、高卒の未就職者体験事業等も行っておりますけれども、実際的にそういう訓練に取り組んで、もともと就職をしようという若年者というのが減ってきている状況でございますので、集めるのになかなか苦労している状況もあるようでございます。 46 ◯中倉委員=確かにそうなんですね。意欲がないと、そこにやってみようという部分につながらないわけで、きのうも質問があっておりましたが、就職をして三年以内に離職するのが五〇%近いんですよね。そういう状況でありますから、何とかこういう形でたくさんの人が何かやろうということで応募してくれればいいのになというふうに私は実は思っております。  次に、訓練の仕組みと内容がどのようになっているか、このことをお尋ねいたします。 47 ◯山口労働課長=お答えいたします。  このデュアルシステム事業は、若年者が企業現場との接点をできるだけ多く持ちながら、効果的に能力向上をしていくことができる新しい枠組みでございますけれども、具体的には企業や教育機関との連携、調整を図りまして、企業実習と一体となった職業訓練を行いますとともに、修了時に実践力の能力評価を行いまして就労につなげていこうとするものでございます。  今回の事業は、産業技術学院の訓練科としてWebデザイナー養成科を設置いたしまして、民間教育訓練機関に委託をいたします。そして、定員二十名で座学四カ月、企業実習二カ月の六カ月の訓練を実施いたしまして、インターネット関連の知識及びビジネスマナーですとか、プレゼンテーション能力を習得させることとしているところでございます。 48 ◯中倉委員=二十名ぐらいですから、すぐにでも集まりそうでございますが、なかなかそう簡単にいかないのかなというふうに思っております。  そういう形で取り組みをされるんですが、この訓練の目標についてどのような水準を目標にされておられるのか、そのことをお尋ねいたします。 49 ◯山口労働課長=お答えいたします。  先ほどから申し上げておりますとおり、このデュアルシステム事業は、若年者が企業ニーズに即応いたしました実践的な技術や知識を身につけて企業適応力を持った一人前の職業人となることを目標としております。Webデザイナー養成科におきます技能水準といたしましては、今、民間のWebクリエーター能力認定試験というのがございます。このWebクリエーター能力認定試験の初級、あるいは上級を一応の目標といたしまして、インターネット上のデザインなどを自由に作成することができるような水準を目指しております。 50 ◯中倉委員=そういう形でされるわけですが、これは県ではできないわけでありますから、当然、委託をされるというふうに思っておりますが、委託先としてどういったところを考えておられるのか、お尋ねいたします。 51 ◯山口労働課長=委託先につきましては、訓練科をWebデザイナー養成科としております。また、これが座学と企業実習を組み合わせた訓練ということから、まずは専門教育ができることが最大の条件でございます。それから、訓練生を受け入れ可能な関連企業とのかかわりが比較的深い、広い専門学校等の民間教育訓練機関に委託することとしたいと考えております。 52 ◯中倉委員=六カ月のうち四カ月が座学で二カ月が実習ということですね。そうなりますと、座学の部分は別としても、実習は訓練生を受け入れて、そして実習をするということになるわけですが、これは先ほどから申しておりますように、企業としてはそういう余裕がない部分が結構多いんですね。本当に新規の新入社員を雇って何年も教育してという大変な部分が実はあるわけで、そういった意味では受け入れ先も大変かなと、見つけられるのかなというふうに思っておりますが、この実習先についてどのように確保していかれるのか。そして、その事業所に対しての謝礼とか、そういった部分をどのように検討しておられるのか、その辺のところをお尋ねいたします。 53 ◯山口労働課長=お答えいたします。  二カ月の企業実習を行う訓練生の受け入れ企業につきましては、現在、千事業所を対象といたしましてアンケート調査を実施しておりまして、受け入れの可能性について調査をしているところでございます。これを基本としたいと思っておりますけれども、このほか労働局やワークステーションSAGAとの連携、それからまた、現在行っております高卒未就職者体験事業等を参考にしながら実習先を確保していくこととしているところでございます。  また、実習受け入れ企業につきましては、実践的訓練を現場において実施していただくということから謝礼を出すこととしておりまして、これにつきましては訓練生一人一月当たり二万四千百円を出すこととしております。 54 ◯中倉委員=訓練生一人当たりに対して二万四千百円を実習先の事業所にということですか、そういうことで理解していいですか──千事業所にアンケートをとって、それを検討されるということでありますが、一人当たり二万四千百円を事業所がもらうにしても、それ以上にそれに係る大変な部分が事業所にはあろうかと思うんですね。ですから、事業所の管理職の方々が、自分のところの仕事、こういうことを社会的にやっているんだという、そして後継者も育てなければならないんだという考えのあるところじゃないと、なかなか取り組めないというふうに思うんです。ですから、そういうところを探していただいて、そういった意味で私の会社でも社会貢献をするんだというところをぜひ選んでいただきたいなというふうに思っております。  そういった意味で、今回はウエブデザイナーの部分を最初の取り組みとしておられるわけですが、職種は多種多様にあるわけでありますから、そういった意味ではいろんな分野において、こういう形の訓練といいますか、デュアルシステムをしていくべきではないかというふうに思っているんですが、これは経済部長に、今後、こういったデュアルシステム訓練をもとにどのように展開を考えておられるのか、お尋ねいたします。 55 ◯坂井経済部長=座学と企業実習を組み合わせました職業訓練、いわゆるデュアルシステム、これは若年者の職業意識を高め、また、職場定着を図る手段として非常に有効な手段の一つであるというふうに考えております。  今回、まずは佐賀県版デュアルシステム事業として民間教育訓練に委託して、Webデザイナー養成科ということを設定して行いますけれども、まず、この事業の円滑な実施といったことに全力を挙げていきたいと思っております。  ただ、御指摘のとおり、今後の展開につきましては、今回実施します訓練の課題、それからまた、受け入れ企業等の意見等を集約いたしまして、カリキュラム、それからまた、企業実習についての問題点の整理、さらには、今、議員から御指摘がありましたけれども、訓練科目の設定についてもどういうふうにしていくかということを含めた効果的な訓練のあり方といったものについて検討していきたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、このデュアルシステムにつきましては、若年者の安定就労につなげていく手段として有効であると考えておりますので、そういう意味では前向きに取り組んでいきたいというふうに思っております。 56 ◯中倉委員=このデュアルというのは、両方という意味ですかね、双方とか、そういう意味ですよね、たしか。ですから、こういう形で訓練をしながら先の就職も探していただくということにつながると思いますから、ぜひそういう形で頑張っていただきたいというふうに思います。  続きまして、経済部を終わりまして農政部の方に移りたいと思います。  県産農産物の輸出の促進についてお尋ねをいたします。  今議会の冒頭、古川知事の演告の中で、佐賀県が新たな視点に立って、九州北部の中で、さらには日本、アジアの中で個性を発揮して佐賀県の存在感と、一定の役割を果たしていくということ、これは他の地域に先んじて構築していくというふうに言われております。  そして、「産業としての農業を強化するための『戦略的な農産物販売と海外へ輸出できる農産物づくり』」を目指して着手することとしたということを述べられております。  農業情勢が厳しい中、海外からの安い輸入農産物や、次から次へと変わる農業政策に対して、農家は大変不安を持って生産をしている状況であろうというふうに思っております。  そういった中で、本県農業の振興を図っていくには、生産性の向上はもちろんでございますが、海外からの安い輸入農産物等におびえることなく、本県のすぐれた農産物を海外市場へ輸出して打って出るということが重要であろうかというふうに思いまして、その輸出促進の取り組みというものは大変意義があるものということでお尋ねをいたしたいというふうに思います。  まず最初に、今やっておられるシンガポールへの米の輸出状況についてお尋ねいたしたいと思いますが、これは県経済連の方でたしか昨年から取り組まれているというふうに思います。ミカンもカナダに向けて取り組んでおられます。海外市場を視野に入れて取り組みをされておられますが、年間十トンを目標に置かれたというふうに思っておりますけれども、この実績がどのようになっておるのか。そして、どういった階層の人たちに販売しているのかということをまずお尋ねいたします。 57 ◯鵜池流通経済課長=お答えいたします。  シンガポールへの米の輸出状況でございますが、米の国内需要が年々減少する中で、県の経済連ではこれに対処し、県産米の販売拡大を図るために、昨年の八月からシンガポール向けに輸出を開始されたところでございます。  この米の輸出実績でございますが、県経済連からの聞き取りによりますと、本年二月まででコシヒカリが一・七トン、ヒヨクモチが〇・二トン、合計で一・九トンという状況でございます。  この県産米につきましては、現地の日系のスーパーマーケットで販売されておりまして、在留邦人を中心に、加えまして現地の高所得者層にも購入されているというふうに聞いているところでございます。 58 ◯中倉委員=これからまたいろいろされると思いますが、これは中に商社が入っておられるんでしょうか、その辺のところをお尋ねいたします。 59 ◯鵜池流通経済課長=流通の過程でございますが、議員御指摘されたように、中に輸入業者、それから輸出業者が入っておられます。 60 ◯中倉委員=ということは、最終的に店頭の小売価格というのは、例えば、こっちの佐賀県の場合と向こうとでは価格も大分違うかなと思うんですが、大体どのくらいで売られているのか、その辺のところはわかりますか。 61 ◯鵜池流通経済課長=価格の問題でございますが、先ほどコシヒカリを出しているというふうなことを申しましたけれども、向こうでの小売価格はキロ当たり大体九百八十円ぐらいになると思います。県内では大体七百円ぐらいでございますので、それぐらいの価格の差でございます。 62 ◯中倉委員=二番目に、県産農産物の輸出に対する県の認識についてお尋ねをいたしたいと思います。  本県の農業の振興を図っていくために、輸出促進の取り組みが重要というふうに考えるんですが、このような取り組みについて県はどのような認識を持っておられるのか、お尋ねいたします。 63 ◯鵜池流通経済課長=県産農産物の輸出に対する県の認識でございますが、これからの佐賀農業は、国内外の産地間競争に打ち勝っていく、いわゆる攻めの農業への転換が必要であるというふうに考えておりまして、この輸出の取り組みというのは、その有効な方策の一つというふうに認識しております。  また、輸出の促進は、新たな販路の確保はもとより、県産農産物のイメージアップによるブランド力の強化、さらには、本県農業者の皆さんが夢と希望を持って農業に取り組んでいかれることにつながり、そのことがひいては佐賀農業の活性化につながっていくものというふうに期待をいたしております。 64 ◯中倉委員=そういう認識でやられるということで、次に、農産物等海外市場開拓推進事業ということでお尋ねをいたしたいと思います。  新年度に新たに予算化されておるわけで、このことについてまずお尋ねをいたします。  イチゴ「さがほのか」を輸出されるということでありますが、この輸出先の選定については、現状把握をして中国の沿岸部の地域だろうというふうに思うんですが、まず、その理由についてお尋ねをいたします。 65 ◯鵜池流通経済課長=輸出先の選定でございますが、県では、日本貿易振興機構、それから商社、さらには青果物の卸会社などを通じ調査を行い、輸出先の市場性等の情報を収集、分析してきたところでございます。  この結果、中国は、外国からの投資によります世界の生産拠点となりつつあり、消費市場も沿岸地域を中心に形成されております。そして、高所得者層が増加しているということを初め、二〇〇八年には北京オリンピックの競技会場として青島市が、それから、二〇一〇年には上海市で万国博覧会の開催が決定しておりまして、今後とも、経済発展による消費市場の拡大や、中国以外の外国ビジネスマンへの県産農産物のPRが期待できること。また、中国本土への日本産農産物の輸出はほとんどなく、他県との競合がないこと。さらには、福岡市から中国沿岸地域の上海市まで飛行機で一・五時間、青島市までは二時間。また、昨年十一月に就航いたしました博多-上海間の高速貨物船、これはスーパーエクスプレスと言うんですが、こういったものが開港いたしまして、これで行きますと二十六・五時間と、時間的に余りかからないというふうな状況になったこと。そういうことから将来有望な市場と考えまして中国沿岸地域の上海市、さらに青島市というふうなことで選定をいたしたところでございます。 66 ◯中倉委員=二〇〇八年のオリンピックと、その後に博覧会があるということで大きな市場になるというふうに思いますね。それまでに何とか確立をするということ、これもわかります。  それと、中国に対しても、中国は十三億人いると言われる中で、沿岸部が大体四億人と言われております。その四億人の中で何%ぐらいが高所得者層といいますか、富裕層といいますか、そういう方たちがおるのか、そういった部分も計算されているというふうに思うんです。  これは私は一般質問の中でお尋ねいたしましたが、特に果物はそうでしょうけれども、こっちでつくったものが向こうで倍になっても飛ぶように売れたということを実は聞いているんですね。それと、果物だけじゃなくて、ヨーロッパのブランド商品も、中国の人が旅行者として日本に来て、それを二百万、三百万単位で買っていくんだということなんですね。だから、日本が一番安心だということなんですよ。そういった部分についても、安全・安心な農産物だけじゃなくて、中国とは契約をしてもどうなるかわからないという部分があるというふうに思いますから。  そういった中で品目を、イチゴの「さがほのか」を選定されておるわけですが、この理由がどうなのかということでお尋ねいたします。 67 ◯鵜池流通経済課長=「さがほのか」を輸出品目とした理由でございますが、中国では贈答用としてアメリカ産のオレンジ、あるいはブドウ、こういった高級輸入果実が利用されておりまして、高品質なイチゴの需要が見込まれるんではないかということ。  それから、「さがほのか」は本県で育成した品種でありまして、県外栽培の許諾による流通量の増大など、ブランド力の強化に努めているところでありまして、輸出によるイメージアップがさらに期待できるというふうなこと。  さらには、果実の中でもイチゴは鮮度の維持が最も難しく、この取り組みによりまして他の品目への輸出の可能性というものも十分期待できるというふうなことから、「さがほのか」を輸出品目として選定したところでございます。 68 ◯中倉委員=一番難しいものから取り組まれるわけですが、先ほどの答弁でも、他県では例がないということを言われていましたが、例がないのは、確かにそうでしょう。一番心配な部分があるからどこも取り組んでいないということでしょうから、それを佐賀県が今回、先駆けて取り組むということで、大変勇気あることだろうというふうに思っております。  そういう中で、「さがほのか」が輸出されて、現地での販売価格の見込みについてでございますけれども、中国では、農産物の輸入に高率の関税がかかっているというふうに思いますけれども、このイチゴに対して課される関税等はどのようなものがあるのか。  そして、「さがほのか」を中国に輸出した場合、現地での販売価格というのがどのくらい見込まれるのか、その辺のところをお尋ねいたします。 69 ◯鵜池流通経済課長=「さがほのか」の現地の価格の見込みと課税関係でございますが、中国本土へ農産物を輸出する場合に、輸入業者には高率の輸入関税に加えまして、日本で言えば消費税に相当する増値税というのが別に課されることになっております。イチゴの輸入関税率につきましては、平成十五年十二月末現在で二四・二%で、増値税率はさらに一三%というふうなことになっております。  この関税率につきましては、二〇〇一年十二月に中国がWTOに加盟したことから順次引き下げられることが決定しておりますけれども、最終的には二〇一〇年に一四%というふうに聞いておるところでございます。  次に、価格の問題でございますが、輸出した場合の現地での販売価格の見込みでございますけれども、輸出量、それから販売業者の手数料、時期、こういったことによりまして条件が変わりますけれども、例えば、約五十キログラムを航空便で輸出した場合、国内の卸売市場での取引価格に航空運賃や通関・植物検疫申請代行料、あるいは輸出入経費、それと先ほどの関税等を加えまして試算しますと、贈答用の五百グラム入りで一箱当たり四千円程度となりまして、国内の平均的な販売価格であります二千三百円の約一・八倍程度というふうに見込まれます。  また、国内の店頭で通常販売されております三百グラム入りのパックで見ますと、これが千二百円程度となりまして、国内の平均的な販売価格の六百円の約二倍程度になるのではないかというふうに予想されるところでございます。 70 ◯中倉委員=大体そのくらい高くなるなということが予想されるわけです。しかし、富裕層がどのくらいおって、どうなのかということで大きく変わる部分があります。日本でもそうなんですね、一個五百円のリンゴを東京で千五百円とか二千円にしたら一遍で売れたとか、日本人でさえそうなんですよね。化粧品だってそうでしょう、安いものより高いものが売れるわけですから。そういう考え方で的を絞って対応していくということが大事だろうというふうに私も思っております。  ですから、高いから売れないじゃなくて、高くても売れるという部分は、いろいろ調査をされれば出てくるだろうというふうに私は思っております。  そこで、今後のスケジュールについてお尋ねをいたします。  中国へ輸出するに当たって、これはさまざまな問題があると思うんですね。いろんな問題が確かにあると思います。今後、どのようなスケジュールで取り組んでいかれるのかということでお尋ねいたします。 71 ◯鵜池流通経済課長=今後のスケジュールでございますが、まずは、今年の四月ごろに、「さがほのか」の青島市への試験輸送を行いまして、迅速な通関、検疫ができる手法、それから、低コストで鮮度の維持ができる輸送方法、それから、大都市であります上海市に向けた販路の開拓などの検討を行うことといたしております。  また、販売業者へのPRも重要なことから、「さがほのか」の出荷が始まります十一月ぐらいになろうかと思いますが、青島市、あるいは上海市から販売業者を本県に招きまして、「さがほのか」などの県産農産物の試食会や生産地視察会、こういったことを開催したいというふうに考えております。  さらに、十二月に予定しております「さがほのか」の試験開始時には、消費者への販売促進を図るために、青島市や上海市での百貨店における試食宣伝、それから販売促進フェア、こういったことを開催するとともに、高級なホテルやレストラン、こういったところへの需要の開拓にも取り組むことといたしております。  一方、県内における輸出機運を醸成することも大事なことだというふうに認識しておりまして、七月ぐらいには海外の販売業者や国内商社の担当者の方たちを招きまして、海外情報とか輸出事例、こういった紹介をやりますセミナーの開催を予定いたしておるところでございます。 72 ◯中倉委員=いろんな問題点を今から一つ一つ解決しながら、そして、試験輸送をしながら両立てでやっていかれるということになるというふうに思います。佐賀県がやる様子を他県がながめているという状況で、成功すると思うということであれば、他県も一気にそういう形でやってくるのかなというふうに思っております。  今回はイチゴで、とにかく一番難しい部分から農政部としては取り組まれるということでありますが、この難しい部分が何とかめどが立てば、これはもちろん、ほかの農産物にも広がっていくわけでありますけれども、そういった意味で、佐賀県には、それ以外にも高品質な農産物がたくさんあるわけでございますが、今後、輸出可能な品目としてどのようなものが考えられるか、お尋ねいたします。 73 ◯鵜池流通経済課長=今後の輸出可能な品目等についてでございますが、「さがほのか」以外の輸出可能な農産物につきましては、国内の卸売市場での取引価格に輸出経費を加えても取引が期待できるような高級果実というものが考えられまして、それに一定の出荷数量が確保できなければだめだろうというふうに思っております。  そういうことから言えば、例えばハウスミカン、ナシ、こういったものが一つの候補としては考えられるのではないかというふうに考えております。 74 ◯中倉委員=やってみて、これからほかの部分もですね。  私は伊万里ですが、ネギを一生懸命やられている方がたくさんおられます。その中で、販路を自分で見つけておられる方は、自分のところのネギを出すと同時に、ほかの部分も要求されているということで、実際、ほかの品目も結構持っていっておられます。そういう形で販路の拡大といいますか、品種の拡大といいますか、そういうこともされておられますから、そういうものは自分でつくっておられませんから、逆に、ほかの地域の方から集めて、お年寄りなんかも結構つくっておられますから、毎日の小遣い銭になるということで実は大変喜ばれているような状況で、地域にも貢献されているということが実際にあるわけです。だから、ぜひそういう形でつなげていただきたいなというふうに思っております。  特に、今、高級果実ということでございましたが、BSEでアメリカの牛肉が入ってこない状況でありますから、そういった意味では佐賀牛もぜひそういう形で出されるように、畜産課長、頑張っていただきたいなというふうに思っております。牛でも、一カ月で大きくなるわけじゃないでしょう、長年かかるわけですから、今出したいと思っても出せないわけなんですね。膨らし粉とか食べさせて大きくすればいいかもわかりませんが、そういうわけにはいかない。ですから、長期戦略が要るわけですね。そういった部分も含めてぜひ頑張っていただきたいなというふうに思っております。  最後に、部長にお尋ねいたしますが、第一陣を今から出されるわけなんですね。これは部長が直々にイチゴを担いで行かれるかどうかわかりませんが、ぜひそういう形で、リスクも確かに大きいと思うんですが、生産農家といたしましては、イチゴだけに限らず、ほかの農産物でも、これから海外にも出されるのかという夢は既に持っておられると思うんですよ。だから、このPRはもちろん大事でありますでしょうし、地域で生産されている方も、今までは朝から晩まで働けばいいんだと、多くつくればいいんだという考え方から、世界を視野に入れて地域の農業をどうするかという部分になってくると、そういう意識づけも実は大事だろうというふうに思うんですね。  特に、中国は、昨年でしたか、江沢民から胡錦濤に国家主席が代わって、あの方は親日派ですよね、まだ若い人でありますけれども。中国の全土を回って、そして地方のこと、農業のこともよくわかっておられる方が国家主席ということで十三億人を担っていかれるわけでありますから、こういった意味では日本ともつながりを持てると思いますから、それを佐賀県が先駆けてやってほしいと思います。  そういう状況でございますから、リスクも大きいところでありますが、何とかやっていこうという部分で、農政部長の意気込みについて最後にお尋ねをいたします。 75 ◯野口農政部長=お答えいたします。  本県の農業につきましては、海外からの農産物攻勢に対しまして、ただ単なる守りの姿勢ではなくて、競争力があり、消費者に指示されるような佐賀ならではの農産物を生産、販売をいたしまして、さらには国内外の産地間競争に打ち勝っていく、いわゆる攻めの農業、こういったことへの転換が必要であろうと思っております。  また、県産農産物の輸出への取り組みは、その有効な方策の一つであると、このように考えております。  また、輸出の促進によりまして、先ほど課長からも答弁いたしましたように、本県の農業者の皆さんが夢と希望を持って農業に取り組まれることにつながりまして、ひいては佐賀農業の活性化が期待されるところでございます。  経済発展の著しい中国本土へ輸出をするに当たりましては、迅速な通関、検疫でありますとか、輸送方法、さらには、先ほどお尋ねがありました現地販売価格がどれくらいになるのかといったようなことなどの課題もありますけれども、これらをクリアしながら、まずはイチゴの「さがほのか」の輸出をぜひとも実現できるように農業団体と一体となって積極的に取り組んでまいります。 76 ◯中倉委員=心強いお言葉をいただきました。そういうことでいきますと農政部に中国課をつくってでもやってもらわにゃいかんのかなというふうに思っております。ですから、攻めの農業ということで率先してやっていただくわけで、我々も選挙でも攻めないと、守りでは負けるというふうに言われておりますから、そういった意味では非常に大事だろうと。四月から新たな組織に変わるわけでありますから、農政部と流通関係ですね、そういった部分で密接な連携をとっていただいて、攻めるときには一気に攻めるということが大事だろうというふうに思いますから、ぜひとも農政部、経済部ともに頑張っていただくことをお願いして、私の質問といたします。ありがとうございました。 77 ◯楢崎委員=自民党の楢崎でございます。質問も最後の方になりますと質問事項も「あれもこれも」という選択肢が狭まっておりまして、私は、そういう中において、新年度の予算審議という面におきまして、どうしてもこれだけは聞いておきたいという点についてあらかじめ通告をしておりますので、順次お尋ねをしてまいりたいと思います。  まず、建制順に従いまして経済部の方から質問を申し上げます。  観光振興についてということでお尋ねをしてまいります。  この観光振興につきましては、一般質問でも同僚議員の質問があっておりましたが、私は、その掘り下げということで、また、きのうは太田議員の方からもこれと同じような事項での質問があっておりましたが、それとはまた違った角度からお尋ねをしてまいりたいと思っております。  県では、二〇〇一年、すなわち平成十三年を観光元年として、平成十三年、十四年、十五年の三カ年にわたりまして“観光県さが”ダイナミックキャンペーンを実施されております。まずは、その成果についてお伺いをいたします。  なお、事業の実施内容、あるいは観光客数の動向など、資料をたくさんいただいて内容は見せてもらっておりますので、どんな成果が上がったのか。すなわち、この成果をどのように評価されておるのか、その辺を取りまとめて観光課長に御答弁をいただきたいと思っております。 78 ◯山田観光課長=“観光県さが”ダイナミックキャンペーンの成果についてでございます。  “観光県さが”ダイナミックキャンペーンでは、佐賀を知ってもらうために大規模なPR事業であります佐賀デスティネーションキャンペーンなど、全国へ向けた大規模な広報宣伝事業を中心に実施してきたところでございます。  折からの「はなわ効果」もありまして、こうしたキャンペーンとあわせて本県の認知度というものは上がったのではないかと思っております。
     また、こういうキャンペーンを通して、観光客数につきましても、キャンペーンの前には減少傾向にあったものが、平成十三年、平成十四年と若干ではございますが、増加傾向に転じているということから一定の成果があったものと考えております。 79 ◯楢崎委員=ただいま認知度が上がったということに引き続きまして、観光客数が若干でありますが、増加したということ、これも資料をいただいております。年間の観光総数が約三千万人ということで、百万人前後の増加はあっておりますが、この増加というのは、過去の傾向から見ますと、これは過去の増減の幅におさまると思っております。むしろ、三千万人の観光客数の中の観光消費の高い宿泊客の数字を見ると年々落ち込んでいるわけです。いただいた資料によりますと、一割の三百万人ぐらいあったのが、今では二百七十万人ぐらいの指標になっているといったような、データとしてはそういうものも出ております。  そういうふうな傾向にございますので、このような効果というものが、言われるように果たしてあったのかということが数字の上でも見えてこないような感じがいたしております。  それに続きまして、新年度も観光課関係の予算といいますのは、前年度比では、当初予算に比べますと九四%ぐらいの予算額になっておりますが、額面としては結構高い予算も措置されております。  そこで、三カ年間の実績、あるいは諸問題というものがどういうふうに検討され、反省されて、この新年度の予算編成を考えるに当たって施策を展開しようとされるのか、お伺いをしておきたいと思います。 80 ◯山田観光課長=キャンペーンの成果につきましては、一定の成果があったとは言いながらも、観光客数が増加に転じたということではありますが、議員御指摘のとおり、宿泊客数は、長引く景気低迷等もあり、なかなか伸びていないというのも実情でございます。  そうではございますが、本県には美しい風景でありますとか、温泉地でありますとか、歴史的文化遺産、いろいろな食でありますとか、売り出せるような観光素材がたくさんございます。今後は、こうした素材を磨き上げながら、自信を持って佐賀県に来てくださいと言えるような、また、来た人にぜひ楽しんでもらえるような観光地づくりをしていくことが必要ではないかと考えております。そのためには県民の方々にも県内の観光資源を誇りに思い、県民の自発的な活動として、その磨き上げがなされるようにしていきたいというふうに思っております。  こうしたことから、来年度は、観光佐賀魅力アップキャンペーンを実施することとしております。その中でそれぞれの地域で取り組む地元産品を使った食の開発でありますとか、観光地をきれいにする活動などの観光地としてふさわしいまちづくりを支援することとしております。  また、観光客には県境は見えないというふうに言われますように、県独自の取り組みだけではなく、県境を越えたエリアという視点で、佐賀、長崎を巡る西九州キャンペーンでありますとか、北部三県長崎街道の旅行商品化事業などをこれまでも実施しているところではございますが、今後とも、長崎や福岡等と連携をした広域的な取り組みを行って観光振興に努めてまいりたいと思っております。 81 ◯楢崎委員=確かに、おっしゃいますとおり、観光事業、あるいは観光の施策といいますのは、一つは、経済の状況というものに大きく左右されると私も思っております。すなわち、私たちの日常生活の中でゆとりと申しますか、あるいは余暇の活用とでもいいますか、こういうものがふえてくる、こういうことによって観光の需要度も大いに高まってくると思っております。  国の観光白書等を見ますと、国民の余暇活動の断トツは、何といいましても、国内観光旅行となっております。加えまして「暇があれば」とか、あるいはまた「お金があれば」ということで、観光旅行をしてみようといったような潜在意識も非常に高いと思っております。  こういうことで、今、課長がおっしゃいましたとおり、新年度は県内観光の受け皿づくりを、ハード面、ソフト面の両方にわたってされるということでありますが、むしろ、今の説明ではソフト面に力を入れるような、魅力アップをするというふうに私には聞こえたんですけれども、それでは、その魅力アップというものにつきまして具体的にどんなふうな施策に取り組んでいかれるのか、これから具体的に四、五項目にわたってお伺いをしてまいりたいと思っております。  その一つでありますが、実は、いただいた資料を見させてもらいまして、また、観光白書と見比べてみますと、先ほど本県の観光客は年間三千万人と言ったんですが、そのほとんどが日帰り客で占められていると思っております。宿泊客数は、先ほど言いましたように一割弱の九%になりますが、年間二百七十万人というのが実績であります。観光の消費効果といいますのは、何といいましても、この宿泊客数というものがふえないことには、観光の消費効果というものも上がらないと思っております。  ちなみに、私、データを少し整理してまいったんですが、佐賀も長崎も年間の観光客数というのはおおむね三千万人ぐらいなんですね。ところが、宿泊客数というのは、佐賀県の場合は二百七十万人と先ほど言いましたが、長崎県は何と一千三百万人ですね、こういう宿泊客数がある。これは比率にしますと、総数の四二%、佐賀は九%です。九州でも長崎が断トツであります。  ほかの県を参考までに見てみますと、鹿児島が総数で四千六百万人、そのうち宿泊客数が一千万人、二二%ぐらいになりそうであります。熊本は六千万人の中で七百万人の宿泊で一二%です。要するに、結論として言えるのは、総観光数にいたしましても、宿泊客数にいたしましても、宿泊率にいたしましても、九州七県の中では残念ながら佐賀県は一番下に甘んじているといったような状況であります。  そこで、宿泊客数というものを今後ふやしていくために、県としてはどのような対策をお考えになっているのか、ひとつ聞かせていただきたいと思っております。 82 ◯山田観光課長=宿泊客の増加対策についてでございます。  議員おっしゃいますように、平成十四年における観光客三千百六十六万人のうち、宿泊客は二百六十六万人と約一割足らずという状況でございます。ただ、国全体で見ましても、宿泊の観光旅行は減少傾向を続けているという厳しい状況にございますけれども、経済効果の観点からも、この宿泊客の増加対策というのは非常に重要であると思っております。  そういうことから、これまで宿泊客を増加するためということで、旅行雑誌とかテレビ等によるPR、または旅行会社に対する観光説明会、現地研修会を通じまして、県内の宿泊を伴う旅行商品づくりを働きかけてまいりました。さらには、佐賀空港利用の観光客誘致を目的としました大都市圏等観光客誘致促進事業等の補助事業において、県内宿泊の促進等に努めてきたところでございます。  市町村におきましても、佐賀市の「佐賀城下ひなまつり」や、嬉野の「あったか祭り」など、夜まで楽しめるイベントの開催でありますとか、唐津くんちと佐賀インターナショナルバルーンフェスタの同時開催のように、宿泊を誘導する取り組みというのを行ってきたところでございます。  こういうふうな取り組みを今後さらにふやすことで、今後、市町村、関係団体と連携を図りながら、宿泊したいような、また、宿泊を誘導するような観光施策を推進していきたいと思っております。 83 ◯楢崎委員=宿泊客数がふえることによって観光の消費効果も大きいというのは、全国の例でも出ております。佐賀県で観光消費額がどれくらいですかという資料もいただいておりますが、こういうふうな観光客数、あるいは宿泊客数で、概算で観光消費額が一千億円と佐賀県は言われております。先ほど言いました長崎県が二千九百億円です。ちなみに、九州各県を見ても、大体二千億円から四千億円ぐらいの範囲にあるのではないかと思っております。  ちなみに、東北各県を調べてみますと、ここも大体二千億円から四千億円ぐらいあると思います。観光道県と言われる北海道が一兆二千億円、そしてまた、沖縄県が五千億円というくらいに観光消費を非常に上げていると思います。  これからも観光施策を大々的に充実することによって、やはり地元が潤うような施策をどんどん展開していただきたいと思っております。  そこで、もう一点お伺いをいたしますが、先ほど私は三千万人という数値を頻繁に出しておりますが、このうちの七割の人は、実はマイカーで佐賀県に訪れていると。そのマイカーの三分の一ぐらいは県内の人でありますが、なんと、福岡県の人が三〇%ぐらい来ておるわけですね。そうすると、この七割からなるマイカーの人たちはほとんどが日帰りですが、こういう人たちに対して意見を言われ、そしてまた聞かれることが、どうも案内表示というものが十分でないという声を頻繁に聞くところであります。  この観光に関する案内表示というものについてどのようなとらえ方、あるいはどのような評価をなさっておるのか、課長の御意見を聞かせていただきたいと思っております。 84 ◯山田観光課長=平成十四年の佐賀県観光客動態調査によりましても、本県の観光客の六九%が自家用車利用となっているような状況でございます。  こういう状況から、観光客にとって道路等に掲出されます案内標識でありますとか、道の駅などに設置された観光案内板というのは、目的の観光地や宿泊地まで円滑に移動するために必要なものであろうと思っております。  このため、県では、市町村が実施いたします観光案内板や案内標識を初めとした観光基盤の整備に対し、観光基盤整備事業補助金を助成しているところでございます。  この補助金の過去五年間の実績では、延べ二十二の市町村に対して補助したところでございますが、今年度、実際に本県を訪れた観光客を対象にアンケートを実施したところでございますが、その結果によると、佐賀県内の観光案内板、案内標識について、「わかりやすい」と答えた人の割合は七割強という結果にはなっておりますけれども、観光県さがとしての底上げを図る観点からは、もっと観光基盤の整備を十分にしていかなければならないと思っております。  今後も、市町村との連携を図りながら、観光客の声も生かしながら、案内標識とか案内板の観光基盤の整備を進め、観光客の利便性の向上に努めていきたいと思っております。 85 ◯楢崎委員=この観光案内標識のことについて、あえてこの場で聞いておりますのは、実は、地元で商工会関係の青年部、女性部との県議と語る会とか、そういうものもあります。この中でもこういう意見が非常に強いし、そして、町村を通じて要望しても、その標識の設置というものについて対応ができないといったような声を聞いております。  私からいろいろ説明する必要はないと思いますが、やはりドライバーに対して案内標識というのはすぐにわかるような標識だと思っております。ですから、車道の方についている案内標識というのは、公安委員会がつけるところの規制案内、スピードだとか一方通行とか進入禁止の規制の標識、それから、もう一つは道路管理者がつけるところの行き先の案内標識、あるいは公共施設等の、あるいは観光施設、公園などの行き先を含めた案内標識がある。  関係者の方から要望が上がっているのは、道路管理者がつける案内標識については、設置の基準がありまして、その直前にならないと案内標識はつけてない。もう少し手前の交差点とか分岐点とか、そういうところにもつけてもらい、なおかつ、目的地までの距離まで書いてもらえるようにするとよいということですが、そういうことになりますと道路管理者との協議が非常に難しくなっております。  課長がさっきおっしゃいました県から補助金を出して案内板をつけるというのは、道路敷地外の方に市町村、あるいはいろんな団体等が設置をするものであります。この道路の敷地外になりますと、商業広告なのか観光地案内なのか、その辺は見分けが非常につきにくいわけですね。ドライバーがさっとわかるような案内板をというわけでございます。  例を出して恐縮ですが、私もこういうことを言われまして、案内板がどうなっているか、県内を一通り見て歩きました。観光の案内板が一番ついているのは、皆さん、どこだと思われますか。これは吉野ヶ里公園なんですよ。ここは東西南北、どこから入ってもわかるようになっている。例を出してまた恐縮ですが、この質問を出した人は、実は東松浦郡の上場の人なんですね。上場の道路というのは、私も地元でありながら、委員長がいらっしゃいまして恐縮なんですけれども、日が暮れたりすると、まずわからない。波戸岬がどこなのか、いろは島がどこなのか、網の目のようになってわからないわけです。ですから、あの辺をまとめて、唐津と鎮西町の町境だとか、そういう主要な点においては増設をしてもらえるように、ぜひこの辺は道路管理者と御協議をいただきたいと思っております。そういうこともありまして、市町村、あるいはまた関係機関と協議をして、道路案内標識の今後の設置について鋭意御検討されますこと、これはお願いをいたしておきたいと思っております。  もう二、三点聞かせていただきますが、先ほどもおっしゃいますように、本県の観光資源というのは非常に恵まれている方だと思います。自然の景観にしてもそうですし、あるいは歴史とか文化遺産にしてもそうですし、いろんな施設面におきましても、これだけあるのに知らない人も今までは結構多かった。このキャンペーン期間中にだんだんふえましたということでございますが、このような観光資源があるのに、まだまだその辺のPRといいますか、周知といいますか、御案内といいますか、そういうものが十分でないと思っております。  ここでまた話を持ち出しますが、実は、現在、唐津・東松浦郡の市町村合併が進んでおります。この合併の協議に際しましてシンポジウムがあってみたり、あるいはまた、知事とかたろうかいというものがあってみたり、あるいはそのほかのいろんな会合、協議があるときに、これからのこの地域のまちづくりというものについてとなりますと、私たちの地元の唐津・東松浦郡で一番先に出てくるのは、観光を資源として、この地域を発展させたいと思うということを若い人が言うわけですね。特に、唐松地区は観光資源にも結構恵まれておりますし、その例を挙げたんですけれども、そういうことで佐賀県全部を考えて観光ルートの開発といいますか、そこら辺についてさらなる進展を願いたいというふうに思っておりますが、この辺についてはどのようにお考えか、お伺いをいたします。 86 ◯山田観光課長=先ほども申しましたが、本県は、具体的に見ますと吉野ヶ里遺跡でありますとか、名護屋城址などの歴史的な文化遺産でありますとか、シチメンソウの群生や干潟体験のできる自然でありますとか、または伝統的な菓子や「ごどうふ」などの豊かな食など、さまざまな観光資源に恵まれております。  これらを活用いたしまして、これまで焼き物をテーマにした有田、伊万里、唐津を巡るコースや、四季折々の花を見て歩くコース、また、佐賀ならではの紅葉を巡るコースなど、いろいろな提案を旅行会社等に対して行ってきたところでございます。  こうした従来のモデルコースに加えまして、今後は新たにできます佐賀市の佐賀城本丸歴史館でありますとか、今日、オープンいたします鳥栖市のプレミアム・アウトレットなどの新しい観光施設を取り入れたモデルコースの開発にも取り組んでいきたいと思います。  また、長崎街道とかひなまつりといった他県と共通の観光資源をテーマにしたコースづくりなども今後強化し、福岡、長崎などとも十分な連携を図りながら、観光客のニーズをとらえた新しい観光ルートの開発に積極的に取り組んでいきたいと思っております。 87 ◯楢崎委員=おっしゃいますように、観光に対する住民の皆さんの価値観といいますか、これも以前とは若干変わっておりまして、見て歩き型というものから、今は楽しみ親しむ観光というふうに変わってきております。そういうことで地元に入り込むような、観光資源の中に入り込むような、あるいは観光関係の行事に、あるいはその他の組み合わせによる行事に参加する、入ってみる、そういうふうな希望が非常に高いようでございますので、そこいらを含めたところの新しい観光ルートのつくり方、あるいはまた旅行商品の開発、そういうものに注意をして御努力を願いたいと思っております。  そのことに関連してもう一つ言いますが、そういうふうな価値観の変革というものもありまして、これからの観光というものは、ただ観光、観光と言うだけでは、一遍行ってみると、もう次はといったような考えになると思います。やはり観光というものは楽しむ観光でございますので、観光だけじゃなくして、ほかの例えば農業だとか、水産業だとか、あるいはほかのイベントだとか、そういうものと組み合わせることによって、その観光の相乗効果というものが出てくるんだろうと私は思っております。いろんな町村において観光だけじゃなくして、いろんな行事と組み合わせた新しい観光の施策というものがつくられるようになってきております。  こういったようなことで観光もほかの産業と組み合わせてさらに伸ばすといったようなことについてお考えを聞いておきたいと思います。 88 ◯山田観光課長=他産業と組み合わせた観光施策の展開ということでございますが、最近の観光客のニーズというのは、これまでの見るだけの見学型から体験型へと重心が移ってきていると思われます。  こうしたことから、本県でも陶芸や和紙づくりなどの工芸体験でありますとか、地引き網などの漁業体験、果物狩りや田植えなどの農業体験、またガタリンピックなどの自然体験など、さまざまな体験プログラムを行っているところでございます。  こうした体験プログラムだけではなく、観光ということだけではなくて、海の幸、山の幸など、佐賀には豊富な物産もありますので、物産と観光を合わせたような各種のプロモーション等もあわせて実施をしているところでございます。  観光というものは、いろいろな産業とかかわって成り立っているものでありますし、いろいろな産業が観光客を誘因するものになるかと思われます。  今後も各種体験を組み入れたツアーの誘致でありますとか、観光と物産を組み合わせたプロモーションなど、各産業の振興にもつながっていくような観光というものを念頭に置いて事業を進めていきたいと思っております。 89 ◯楢崎委員=もう一点、関連事項についてお尋ねをしますが、実は、日本人は海外旅行が好きということで、この前もある議員が説明しておりましたが、日本国民が外国に出かけるのは年間一千六百万人ぐらいというふうに聞いております。これに対しまして、反対に日本に外国人がおいでになるのが三分の一の五百万人というふうに聞いております。この五百万人来られるのを二〇一〇年、平成二十二年には倍増させて一千万人にまでしていこうということを年頭に小泉首相が演説をしております。  こういうことで、私どもとしても、やはり外国人の観光客誘致というものについては、佐賀県観光としても、さらに考えをしていかなくちゃならないと思っております。  ちなみに、外国の人で日本に来る国籍は、何といいましても、断トツは韓国のようであります。例えば、福岡空港のチャーター便を見てみますと、福岡空港には年間百四十一便、三万五千人の方がおり立っておりますが、主は韓国からであります。韓国と我が国は、私が言うまでもなく、歴史的にも、あるいはまた文化的にも、地理的にも非常に近い関係にあります。そういう意味では、さらに韓国から日本においでいただくこと、そして観光案内を十分にさせてもらう、こういうところにも力を入れなくちゃならないと思っております。  北海道みたいに、九州各県が一体となって観光ルートを開発し、それを売り込むのが一番いいかもしれませんが、九州七県というのは、一つというより、むしろ一つ一つというふうにやゆされたりしております。しかし、こういった中で福岡、佐賀、長崎という北部九州三県は、これは何かの格好で非常に密接な連携関係にあると思っております。幸い、その中心をなすのは佐賀県であります。そしてまた、その扇のかなめになるのは佐賀空港だと私は思っております。  佐賀空港には去年一便だけ、中国からの修学旅行のチャーター便があっておりますが、こういう佐賀空港へのチャーター便の確保ということもいろんな関係機関と検討し、働きかけをしながら開発をしてもらうことによって、外国人の観光客というものがふえるんじゃないかと思っております。  そういった意味で、外国人の観光客誘致という面について県御当局のお考えをお聞きしておきたいと思っております。 90 ◯山田観光課長=外国人の観光客の誘致でございますが、近年、アジア諸国からの訪日観光客につきましては顕著に増加しておりまして、今後も中国を中心に増加が見込まれているところでございます。  今後は、アジア諸国からの観光客誘致を図っていくことは、本県の観光振興の観点からも非常に重要なことと考えております。  このため、これまで九州各県共同による中国、韓国などでのPR、また、福岡と佐賀が共同で行う中国からのマスコミ招聘事業など、広域での取り組みを行ってまいりました。また、県単独でも中国、特に上海、北京、広東省の広州市等で知事によるトップセールスと観光セミナーなども実施してきたところでございます。  中でも、中国につきましては、本県を組み込んだツアーの商品化を促進するために、県では、現地を訪問してプロモーション活動を行いながら、現地旅行社や航空会社に対しまして佐賀の優位性、または観光情報の提供に努めてきたところであり、とりわけ訪日観光客の六割以上を占めます広東省に対しまして重点的に働きかけを行ってきたところでございます。  これらの取り組みによりまして、広東省を中心に本県を組み込んだ団体旅行が実施されるようになってきております。昨年十月には中国から初めてとなる国際チャーター便による観光客を、さらには、ことし一月に中国から初めてとなる修学旅行団を佐賀空港で受け入れたところでございます。こうしたチャーター便による観光客受け入れというものは、いずれも広東省からでございまして、これまでの県を中心とした働きかけが功を奏したものではないかと思っております。  今後も、アジア諸国からの観光客誘致を図るため、九州各県などの広域での取り組みを強化し、県としても、現地を訪問しての観光情報の提供を積極的に行っていきたいと考えております。  また、誘致に当たりましては、受け入れの体制整備も不可欠でありますことから、宿泊施設等の従業員の方に対する言葉や習慣、嗜好等の違いなどについての研修会を実施したり、または個々の宿泊施設に旅行業者の経験者をアドバイザーとして派遣してサービスの向上の指導を行うなど、ソフト面での支援にも努め、外国人観光客の誘致を進めていきたいと思っております。 91 ◯楢崎委員=観光施策関係について、具体的に何点かお伺いしましたが、まだまだいろいろと議論をさせてもらいたいと思っておりますが、時間の関係もございますので。ただ、観光施策につきましては、何かもう一歩努力といいますか、積極的な姿勢といいますか、今のところ、こういうものが欲しいという気がいたしております。観光産業がもたらす経済効果というものは非常に大きなものがございますので、その振興があれば大いに期待するところであります。本県は数多くの観光資源と歴史、文化の豊かさにも恵まれております。人の価値観が変わったとはいいますものの、楽しむ観光へと、また余暇の活用度合いというものも観光方面に集中するものと思っております。  そういう意味では、二十一世紀のリーディング産業として観光事業というものが大いに展開をされるものだと私も思っております。この観光施策につきましては、知事が言うマニフェストの中にこそ数値目標は入っておりませんが、いろいろなアクションプログラムなんかを見ますと数値的なものも入っておりますので、ひとつ経済部を挙げて、マニフェストがあるものとして観光の発展、施策の展開に努力をしてもらいたいと思っておりますが、この項の最後に、経済部長のその辺のお考え並びに所信をお伺いしておきたいと思っております。 92 ◯坂井経済部長=観光産業について、今、議論がございましたとおり、今後の経済を牽引するリーディング産業だというふうに我々も思っております。そういう意味で、今後の経済発展の重要な役割の一端を担うのではないかというようなことで力を入れていくべきものだというふうに考えております。  そうしたことで、従来までも総合計画の中で位置づけておりましたけれども、特に先ほど議論がございましたこの三年間、ダイナミックキャンペーンといったことで展開いたしてまいりました。認知度向上等、一定の成果があったというものの、言いわけになりますが、こういう景気の動向等もあって、中身を見ていきますと、むしろ宿泊客はふえてないじゃないか、減っているじゃないかといった内容等もございます。  そういう中で、我々が今考えておりますのは、今後、特に御指摘がございましたとおり、県内にはいろいろ観光素材等がございます。そういうものをまずは磨き上げていって、そして本当に来た人に楽しんでもらう。そしてまた、一回のみならず、二回、三回と、いわばリピーターと申しますか、そうした格好で来ていただけるように、十六年度からは観光佐賀魅力アップキャンペーンといったことで予算等もお願いいたしております。  そういう中で、観光地としてふさわしいまちづくり、そうしたことを目指して取り組みをしていきたいというふうに思っております。  また、そういう中で、先ほどビジット・ジャパン・キャンペーン、外国からのお客様を平成二十二年ですか、二〇一〇年までに一千万に倍増させるといったような国の施策もございます。そうした中で、本県でも中国、韓国など、アジアからの観光客の誘致といったことも今後非常に大事なことだろうと思っております。  また、そうしたときには、当然来ていただいて本県の観光地等に安心して泊まっていただけるといった意味での受け入れ体制の整備といったものが非常に重要かなというふうに考えております。  また、近隣からの観光客につきましても、先ほど議論がございました本県においでいただく観光客の約七割近くが車といったこと等を考えますと、先ほどお話がございました案内標識の整備、そうしたことについても、これは経済部だけでできるものではございませんので、観光部局とも十分協議を進めていきながら整備に努めていくといったことが大事だと思っております。  そういう中で、九州は一つ一つという話もございましたけれども、実は、昨年十月でしたか、九州観光戦略委員会といったものを立ち上げておりまして、これは九州が一丸となって九州観光の発展といったものに取り組むことが必要ではないかと。まずは九州に来ていただいて、その先に佐賀県だとか福岡県とか長崎県がありますので、例えば、海外からの誘客、それからまた東北、北海道あたりからの誘客にしましても、単に佐賀だ、宮崎だ、長崎だというんじゃなくて、九州といったことでの戦略を持つ必要があるのではないかという議論になっております。そういう中で観光振興のための短期戦略なり、また、十年後をにらんだ中長期の戦略といったことを、今、そうした委員会の中で議論いたしておりまして、できるだけ早くそうした戦略の策定もし、また、そうしたことに基づいて観光の振興といったものに取り組んでいこうと思っております。  いずれにいたしましても、観光行政だけでできるものでもないですし、また、民間だけでできるものでもないといったことで、県、市町村、それからまた観光業者、さらには地域の方々を巻き込んだ中で本県の資源を磨き上げ、また、県民一人一人が自信を持って佐賀に来ていただくといったことが言えるような、そういうふうになるような格好での観光県さがの実現を目指して頑張ってまいりたいと思います。 93 ◯岸本委員長=暫時休憩します。十三時十分をめどに委員会を再開いたします。     午後零時十一分 休憩     午後一時三十三分 開議 94 ◯岸本委員長=委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 95 ◯楢崎委員=それでは、午前中に引き続き質問を続けさせていただきます。  農政部の方にまいりまして、通告どおりの順序でお尋ねをしてまいります。  まず第一点は、有害鳥獣被害防止対策についてであります。  この件につきましては、私も、三年ほど前の一般質問でいろいろとお尋ねをし、その後、いろんな議員さんからこの種の質問があっております。ただ、質問の答弁並びにその説明を聞くたびに、年を追うごとに被害額なり、あるいはまた有害鳥獣の捕獲頭数がふえておるということについていささか心配をしておるところでございます。あわせて、その背景には対策が見えてこないということを私は大変心配いたしております。  最近、特にイノシシやカラス、こういった特定の野生鳥獣によるところの農作物への被害、あるいはまた自然生態系への被害というものがだんだん問題となってきております。具体的な農家の被害といたしましては、水稲、あるいは果実、野菜、タケノコ、大豆、そういったもろもろの農作物への被害。そしてまた、イノシシ特有の田畑の荒らし方、あるいはその他の鳥獣の荒らし方によって圃場が荒れるといったような被害が生じております。  こういう観点からいろいろとお伺いをいたしたいと思っておりますが、まず第一点は、鳥獣によるところの農作物の被害状況についてお尋ねをしたいと思っております。  鳥獣による農作物への被害状況はどれくらいになっておるのか。また、こうした被害の状況をどのように受けとめてあるのか。その被害状況の受けとめ方といたしましては、被害が地域的に広がっておるのか、あるいはどんな深刻さというものがあるのか、その辺についてお答え願いたいと思います。 96 ◯山内農政課長=鳥獣による農作物への被害状況等につきましてでございます。  鳥獣による被害状況につきましては、直近の平成十四年度におきます被害金額が約七億円となっております。  これを主な鳥獣で見ますと、まず、イノシシによる被害金額につきましてですが、果樹、あるいは水稲など約四億一千七百万円となっております。次に、カラスでありますが、果樹、麦など約一億一千五百万円、ドバトでは大豆、麦など約六千七百万円、カモにつきましてはレンコン、これはレンコンの芽でございますが、それと麦など約三千六百万円。猿では野菜、果樹など約三千四百万円となっております。  特に、イノシシによる被害につきましては、県内の中山間地域のほぼ全域で見られております。猿につきましては、唐津・東松地区での被害が見られるという状況になっております。  また、鳥獣全体の被害金額の推移を見ますと、平成十年度におきましては、約六億三千万円でございましたが、平成十四年度は、先ほど申しましたように七億円ということで、被害金額につきましては増加の傾向にあると考えております。  こうした鳥獣被害が農業者の営農意欲の減退につながるなど、地域営農活動に大きな影響を与えているのではないかと懸念をいたしております。  以上でございます。 97 ◯楢崎委員=ただいま被害の状況についてお答えをいただいたところでありますが、特に、イノシシにつきましては、中山間地域、いわゆる山地というところにはほとんど入っておると思います。これまでもいろいろと報告を受けておりますが、例えば、夜間には、普通の一般道路で、山地がかったところではイノシシと車との衝突事故があっております。もっと最近では端的な例を聞いておりますが、JRの筑肥線、JRの筑肥線というと唐津から伊万里までの間が山地が多いからそこだろうというふうに皆さん思われるかもしれません、そこはそこでディーゼルカーとの衝突事故があっておりますが、私の知り合いは唐津から姪浜までの地下鉄相互乗り入れのところを運転しております。その人が頻繁に言うのは、福岡大都市の姪浜というところ、福岡市西区にありますが、今では高層マンションが立ち並んでいるところに一部山が入り込んだところがあります。そこでイノシシを電車ではねると。地下鉄相互乗り入れですので、ここは五分間隔くらいで電車の上下線、どっちかが通っているところですね。こういうところでイノシシと出くわすというのは、おっしゃるとおり、佐賀県に限らず、北部九州の山という山にはほとんど入っているんじゃないかと、こういうふうに範囲が広がっているということを非常に危惧いたしております。  そこで、次にまたお尋ねをしますが、こういった有害鳥獣については、対策の一環として捕獲をおやりになっていると思うんですが、被害防止の観点から捕獲することができることとなっておる最近の有害鳥獣の捕獲状況について、どのようになっているのかお聞かせください。 98 ◯山内農政課長=平成十四年度におきます主な鳥獣の捕獲頭数でございます。  まず、イノシシにつきましては、全体で一万六百七十五頭、うち有害鳥獣の捕獲によりますのは六千四百五十八頭となっております。それから、カラスにつきましては、全体で七千八百三十七羽、うち有害鳥獣での捕獲が六千二百六十二羽となっております。以下、ドバトで四千二百三十六羽、これはすべて有害鳥獣での捕獲ということになっております。カモにつきましては一万二千百二十二羽、これは狩猟が一万一千七百七十三羽ということになっておりまして、有害鳥獣では三百四十九羽と極端に少なくなっております。  こういったことから、特にイノシシにつきましては、平成十四年度、全体でございますけれども、四千三百六頭でありました。これが先ほど申しましたように一万六百七十五頭、約二・五倍というふうな増加の状況になっております。 99 ◯楢崎委員=捕獲状況についても、そしてまた被害額にしても、右肩上がりと言ってはなんですが、どんどんふえ続ける一方ということですね。こういうことになりますと、おっしゃいますように、特に中山間地域で営農者の方々の営農意欲がなくなるということ、これが非常に心配されるところであります。
     特にこれからイノシシについてお尋ねをしてまいりますが、イノシシの対策につきましては、まずは相手を知るということで、イノシシの生息等の調査についてはどのようになっているかということを三年前にお尋ねいたしました。そのときに、当時は環境担当部局の方であったかと思いますが、お答えは、平成十三年度と平成十四年度にわたって環境省が生息調査を実施しておりますので、こういうふうな実施の結果を見て、これからの計画というものを策定したいというふうなことをおっしゃいました。  そこで、まずお尋ねしたいと思いますのは、イノシシの生息調査について平成十三年度と十四年度に実施した調査の結果がどうなっているのか。例えば、イノシシの生息頭数でも推計がある程度つきますと、それなりの対策に結びつく何か手がかりでも出るんじゃないかと思っておりますが、その辺の調査の結果について教えてください。 100 ◯山内農政課長=イノシシの生息調査につきましてでございます。  先ほど議員御指摘がありましたように、生息調査につきましては、平成十三年度と平成十四年度の二カ年にわたりまして実施をしております。これは特定鳥獣保護管理計画を策定する事前調査ということで実施をいたしました。  この調査により明らかになったことでございますが、まず一つは、イノシシにつきましては、県内平たん地、それから離島を除きました県内全域でその生息が確認されております。  また、被害作物といたしましては、水稲、野菜、果樹、豆類、タケノコなど、多くの種類に及んでおります。  それから、捕獲されたイノシシを見ますと、一歳半が約八割ということで、いわば若齢化が進んでいるというようなことから、ある程度の捕獲の効果というものも見られる状況にあります。  それから、捕獲の状況でございますが、わなによるものが全体の約八割という状況であります。  それから、生息数のことでございますが、県内におきますイノシシの生息数につきましては、脊振山系の大和町、富士町、多良山系の鹿島市、太良町、これはサンプリング地区ということで選定いたしまして、そこでの痕跡数の推移、あるいは捕獲数の推移、こういったものを調査をし、これをもとに県内全体の生息数を算定しました結果、約七万頭ということで推定しております。 101 ◯楢崎委員=イノシシの生息数が七万頭ということで非常に大きな数字でありまして、これについての対策をこれから考えなくちゃいけないところだと思っております。  これら特定鳥獣の駆除対策といいますか、こういうものについては特定鳥獣保護管理計画といったようなものに基づいてお立てになるんじゃなかろうかと思っております。といいますのは、イノシシといえども、自然界の動物であります。これはもちろん、鳥獣の保護及び狩猟に関する法律というものにおいてしかるべき措置がされていると思いますので、害を及ぼすからといって全部殺すとか全部捕獲をするというわけにもまいらぬと思います。  例といたしまして、山口県でニホンジカが異常繁殖をしたときに、山口県も生息調査をして、推測で全体数がどれくらいおる、しからば種の保存のためにどれくらい残して、その差の分の何千頭を捕獲しましょうと、こういうふうな計画を立てたと思っております。これと同じような考え方でイノシシの駆除対策というものもされると思っておりますが、その鳥獣保護管理計画なるものに基づいて、イノシシの頭数で減らしていく計画なのか、そのほかの計画をお持ちなのか、その辺の考え方についてお聞かせ願いたいと思っております。 102 ◯山内農政課長=特定鳥獣保護管理計画でございますが、これにつきましては計画期間につきまして、平成十五年度から平成十八年度までの四年間といたしております。  議員御指摘がありました、どういう目標でやっていくのかということでございますが、イノシシにつきましては、約七万頭と生息数の推定をしておりますけれども、いわば単独で行動するというイノシシ特有の習性がございます。そういったことから本県におきます特定鳥獣保護管理計画の中での目標といたしましては、被害金額を一つの保護管理の目標といたしております。  具体的には平成十八年度、これは計画の最終年度となりますが、そこの被害金額を、平成十三年度の被害金額が約三億七千万円ありましたので、これを二分の一に抑えたいということで、この保護管理計画に盛り込んでおります。 103 ◯楢崎委員=イノシシの駆除対策として頭数目標での決め方ではなくて、被害金額を半減していこうということですね。これは考えようによっては非常に難しくて、また、ねらいとしては有効な効果だと思っております。頭数を減らすだけで被害が減るかというと、そうはいかないと思います。ただ、被害を半分に減らすというのが非常に抽象的で難しいと思います。  私も、この問題については地元の人から、現地に立ち会いをさせられたり、あるいは話を聞かされ、あるいは専門家の話を聞いたり、あるいは本を読んだりしましたが、イノシシの対策というのは、結論としてわかったのは、非常に難しい対策だということです。その難しい対策ですが、しからばどうしたらいいのかなというのは、恐らく県の方も確定的な対策というものはまだ固めていらっしゃらないと思っております。  対策というのは、変な言い方ですけれども、イノシシと相談をするとでもいいますか、イノシシと話し合ってみる以外に的確な方法はないんじゃないかと思っております。  ただ、イノシシは物も言わなきゃ、返事もしないと思っております。しかし、イノシシは態度で示すと思っております。動作といいますか、動きといいますか、こういうものをしっかりとらえないといけないのではないかと思っております。このとらえ方が難しいと私は思いますが、ほとんどの人の話を聞いて、八割、九割の方がおっしゃるのは、イノシシの言葉として猪突猛進という言葉がありますが、これは一定の目標に向かってまっしぐらに進むという、その潔さをあらわした言葉だと思うんですが、実はイノシシの動作は、その反対でございまして、イノシシは物をねらうときには物陰に潜んでじっと相手の動きを見ながら、そしてすきをねらって獲物をねらい、そして、逃げるときがわき目を振らず一直線に逃げるといったような、こういうふうなところがどうも本当の性格のようであります。  したがいまして、対策といたしましては、家の周りに茂みをつくらない、やぶをつくらない、畑のそばにそういう場所をつくらない、こういう環境対策と、わなの仕掛けが一番よいんじゃなかろうかということを、専門家の話を聞きますと、こういう論理をおっしゃっております。しかし、ある人に言わせますと、いや、うちは家の周りを一生懸命環境整備したばってん、相変わらずイノシシは来んもんねと、こういうふうにおっしゃる方もいらっしゃいます。  そういうイノシシの動きというものは非常に特殊な動き方をすると思いますので、決まったセオリー、条理というものはないと思っております。ですから、対策についてはよほどしっかりした準備といいますか、仕掛けといいますか、こういうものを取り込んでやらないと効果が上がらないと、こういうふうに感じております。  こういうことで、今後、イノシシの被害防止対策を半減するということでありますので、どのような取り組みをなさっていかれるのか、そこをひとつお聞かせ願いたいと思います。 104 ◯山内農政課長=被害防止対策につきましてでございます。  まず、先ほど申しました特定鳥獣保護管理計画、この中で、一つには狩猟期間をイノシシに限定いたしまして、従前は十一月十五日から翌年の二月十五日までの三カ月でございましたが、これを一カ月延長いたしまして二月十五日を三月十五日までということにしております。  それから、もう一つは、農林業者の方々の有害鳥獣の捕獲許可基準を要件緩和しようということで、農林業者の方々につきましては、狩猟者の登録というものを不要にして駆除に当たるようにしたということがございます。  それから、もう一つは、捕獲従事者につきましては、従前、一人当たり十五頭と捕獲頭数の制限を行っておりましたが、この管理計画に沿いまして、この制限を解除したと。  大きく、制度的にはこういった見直しを行っております。  そのほか具体的な対策といたしまして、議員、一部御指摘いただきましたが、県といたしましては、市町村、あるいは農協等で構成いたします県内十地区の有害鳥獣広域駆除対策協議会というものがございます。この協議会に対して、例えば電気牧さく、あるいは箱わな等の設置費、あるいはイノシシの捕獲報償金、こういったものに対する助成事業を実施いたしております。  あわせまして、農業者の方々を対象にいたしまして、イノシシの被害防止対策の研修会、こういったものも開催いたしております。  今後とも、県といたしましては、農業関係者や市町村、あるいは狩猟関係者などとの緊密な連携のもとに、今年度から実施しております管理計画に基づいた各種の防止対策、これを積極的に推進することにより、イノシシによる農作物の被害防止に努めてまいりたいと考えております。 105 ◯楢崎委員=どうぞ、対策については万全を期して目的を達成してもらいたいと思っております。今、制限を解除して、そして四年間で半減すると。まさにマニフェストといいますか、イノシシ特区とでもいいますか、こういう制限を緩和しながら、この対策に取り組むという意気込みでございます。ぜひ有効な対応をしていただきますようにお願いしておきます。  この項の最後に一項目だけお伺いをしておきますが、有害鳥獣等の処理についてでございます。  捕獲をしたり、あるいはそのほかの方法でとらえた有害鳥獣についての処理というものはどのようにされているのか、お聞きします。 106 ◯山内農政課長=捕獲した鳥獣の処理のことでございますが、基本的にはすべてを回収していただくか、または適切に埋設、土の中に埋めていただく、そういう処理をすることが基本と考えております。  特に、平成十四年七月に鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律が改正されまして、捕獲した場所に鳥獣等を放置してはならないとされたところでございます。  県といたしましては、捕獲した鳥獣の処理に当たっては、この法に基づいて適切に処理されるよう、例えば、狩猟者登録証を交付する際、あるいは狩猟免許更新の講習会、こういった際に改めて狩猟者の方々に対し、法の周知を図るとともに、今後、猟友会とも十分連携いたしまして一層の指導に努めてまいりたいと考えております。 107 ◯楢崎委員=所定の方法によって捕獲した有害鳥獣については、的確な処理がなされますことをお願いしておきます。  もう一点、あえて言わせてもらいますと、イノシシというのは一頭当たり五十キロから六十キロある大物もおります。こういうものを捕獲した場合に、そのまま埋め立てるということについては、やはり衛生的に、また環境上支障がないような、そういう措置については十分指導してもらいたいと思います。  一方においては、イノシシの肉を趣味として食用に供する場合がございます。これについては肉として販売する場合には食肉の食品衛生法上の適用を受けると思いますが、そこに持ってくるまでの間、とらえたイノシシの解体をするに当たっては、本来だと屠畜場でぴしゃっとやるのが本筋だと思っておりますが、これは法律上も、また、実際上もここではできないことになっております。  したがいまして、食用に供したり、あるいはまたこれを始末、処分をするに当たっては、先ほど言いましたように衛生的に、そしてまた、環境上支障のないような措置がされますよう、農政部はもとより、環境担当部局、あるいはまた食品衛生担当部局ともしっかり連携をとってその辺の検討を進め、万全を期してもらいたいということをお願いいたしまして、この項に関する質問は終わらせていただきます。  続きまして、通告をしておりました二番目の農業の後継者対策についてお伺いをいたします。  農業従事者の数なんですが、十年前の平成五年には四万二千三百三十名とお伺いしております。その四万二千三百三十名という方が、十年後の平成十五年には三万五千七百三十人と六千六百人の減少があっております。そのうち六十五歳以上の割合が二三%から四七%に増加するなど、農業の担い手の減少や高齢化が一層進んでおるというふうに伺っております。  こうした中で、本県の基礎産業であります農業を振興し、継続的に発展させていくためには、意欲のある若い後継者を確保し、そして、経営感覚にすぐれた農業者として育成していくことが極めて重要であると思っております。  県の総合計画においても、さが農業・農村新世紀プランというものの展開方向の三本柱の一つとして、意欲的な農業経営者づくりを掲げておられ、次代を担う青年農業者等の確保と育成というものを推進することとされておりますが、将来の佐賀農業の新たな展開を支える農業担い手の確保を図る観点から、二、三、お伺いをしておきます。  まず第一点は、新規の就農者数の動向についてです。  最近の新規就農者数の動向がどのようなことになっておるのか、これについて教えてくださいませんか。 108 ◯野村農産課長=新規就農者数の動向についてでございますが、県内におきます新規就農者数は、平成六年には四十四名という最低の線までなったところでありますけれども、その後、回復基調になりまして、最近では平成十三年が九十七名、十四年が百二名、十五年には百十三名となっておりまして、現在では増加傾向にございます。 109 ◯楢崎委員=新規の営農者数は、数的には少ない増加でありますが、内容としては増加傾向にあり、大変結構なことじゃないかと私も思っております。  次に、農外からの新規の参入の件についてお伺いをしておきます。  最近、委員長の勧めもあって、ある本を読ませていただきました。それは米田雅子さんという方の著書の紹介があっておりますが、建設業の新分野への進出という論調と、さきに九州経済調査協会がまとめました九州経済白書、この中の建設業からの農業への進出提案、全く同趣旨のことが書いてありましたので、私は印象が非常に深かったのでお尋ねをしてまいります。  この論旨は、いずれも公共事業の削減から苦戦をしております建設業の農業への進出の提案であります。特に、郡部の町村では、従来から建設業と農業がその地域の経済の柱でありましたし、また、最近の不況の中で建設業の失業者が出る一方で、農業では担い手不足ということがありますので、雇用のマッチングということではちょうどぐあいがよろしいんじゃないだろうかと、こういうふうな論調であります。  そこで、いずれも成功事例などを取り上げて強調されておりますが、まず第一点は、こういう状況が本県でもあるのか、ないのか、その実情についてお聞かせ願い、あわせまして、新規就農家のうち、農家の子弟ではない農外からの新規参入者がどれくらいいるのか、その辺についてお聞かせ願いたいと思っております。 110 ◯野村農産課長=建設業の方々の農業への参入状況ということでございましたが、既成の建設業の方々が農業の中でも農産物の生産分野に直接参入されている、こういう事例は現時点では聞いておりません。  もう一方の農外からの新規参入状況についてでございますが、本県での農業以外からの新規参入者につきましては、平成十年に初めて一名の参入が見られました。その後、平成十一年には四名、平成十二年が五名、平成十三年が三名、平成十四年が三名、そして平成十五年は七名となっておりまして、この六年間での新規参入者の総数は二十三名となっておるところでございます。  この二十三名を出身地別に見てまいりますと、県内が十二名、県外が十一名となっておるところでございます。  ちなみに、平成十五年の七名につきましては、県内が四名、県外が三名、これは長崎県と熊本県からお見えになってございますが、こういう状況になっております。 111 ◯楢崎委員=一人でも多くの若い人が農業に魅力を持って就農し、すぐれた担い手として育っていくことが大変重要であると私も思っております。  県としては、この農業後継者対策というものについて、これからどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをしておきます。 112 ◯野村農産課長=農業後継者の育成対策についてお答えいたします。  高齢化などによりまして、農業従事者が減少する中で、本県農業の持続的な発展を図るためということになりますと、議員御指摘のとおり、一人でも多くの新規就農者を確保いたしますとともに、その新規就農者が経営感覚にすぐれた農業者として、あるいは地域農業のリーダーとして育成していくことが極めて重要であるというふうに考えておるところでございます。  このようなことから、県といたしましては、農業後継者を確保するために、まず、県農業大学校等におきます農業後継者の養成を初め、財団法人佐賀県青年農業者育成センターの専任相談員や指導農業士によります就農相談。あるいは農業関係の高校生を対象といたしました県内外の先進農家で宿泊しての農業体験研修。さらには就農のための農業技術の習得に必要な無利子の就農研修資金、あるいは農業経営開始時の機械・施設の整備等に必要な無利子の就農施設等資金、こういった資金の貸し付けなどを実施しておるところでございます。  また、農業後継者の育成を図る観点からは、農業以外の分野を含めました幅広いテーマにつきまして研究討議を行うさが農業創造塾、あるいは営農に関します知識とか技術を相互に学び合う農業青年会議の開催。こういったものに加えまして、平成十六年度には新たに青年農業者がみずから企画立案をいたします海外研修に助成する農業青年等海外研修支援事業、さらには、青年農業者のグループが新たな技術開発などのためのプロジェクト研究活動に対する取り組みを促進するための農業青年クラブ等活動支援事業、こういったものを実施することといたしているところでございます。  今後とも、市町村、農業団体などと一体となりまして農業後継者の確保、育成に積極的に取り組んでまいりたい、このように考えておるところでございます。 113 ◯楢崎委員=青年農業者の育成ということは、これは私も非常に関心を持つところでありまして、この制度というものをぜひ進めて農業後継者の確保というものに引き続き御努力をお願いいたしたいと思っております。  続きまして、通告の二項目めの環境保全型農業というものについてお尋ねをしてまいります。  これも一般質問から、あるいはきのうの当委員会の中でもいろいろ言われておりますが、このところ、BSEとか鳥インフルエンザ、あるいは農薬の問題、食の安全性が最大の関心時になっております。農業の振興に当たっては、農業者の視点はもとより、消費者サイドも重視して、安全・安心な農産物づくりに力を入れるよう、私もこれまで申し上げてきたところであります。  こういった中で、知事がさきの代表質問において、「平成十六年度を佐賀県における環境保全型農業の推進元年と位置づける」と、こういうくだりの答弁をされたところであります。  この環境保全型農業といいますのは、きのうも言われましたが、合成された農薬を使わないとか、化学肥料を使わないとか、使ってもそれを減らしていくとか、こういった農業を推進していくということは、まさにこれが安全・安心な農産物づくりにつながるものだと私も思っております。  そこで、何点かお尋ねをしてまいりますが、環境保全型農業の取り組みについてお伺いをいたします。  現在、県内において、環境保全型農業への取り組み状況がどのようになっておるのか。また、本県農業の全体から見て、そのシェアがどれくらいの割合になっておるのか。例えば、面積比の割合でいくのか、あるいは農家戸数をベースとした割合でいくのか、どちらかわかる方で教えてくださいませんか。 114 ◯小野原園芸課長=県内における環境保全型農業の取り組み状況についてお答えをいたします。  化学肥料や化学合成農薬を使用することを控えました有機栽培、あるいは特別栽培、エコ農業、いわゆる環境保全型農業というものでございますけれども、これへの取り組み状況を市町村を通じて行いました調査で見てみますと、県内の取り組み農家数は、平成十五年で約五千九百戸というふうになっております。  また、こうした取り組み農家が全農家に占める割合を見てみますと、約一五%というのが現状でございます。 115 ◯楢崎委員=わかりました。今後とも、この分野のシェアが広がるということが、安全・安心な農産物づくりにとってさらによいことではないかと思われます。  次に、環境保全型農業の位置づけなんですが、この環境保全型農業といいますのは、消費者への安全・安心、こういうものの農産物供給といった面のみならず、農業生産の条件が不利な、例えば中山間地域で付加価値のある農産物づくりによる農業の振興にもつながるものと私は考えております。  県は、この環境保全型農業というものをどのような位置づけで推進をされようとするのか、その辺のお考えを聞かせてもらいたいと思います。 116 ◯小野原園芸課長=環境保全型農業の位置づけについてでございますが、自然環境の維持保全ということとか、消費者の食の安全に対する関心が非常に高まっているという中で、これからの農業につきましては、安全・安心といったものが一層大事にされる世の中に変わっていくものというふうに考えております。  このような中で、環境保全型の農業につきましては、自然環境の維持保全ということはもとよりでございますけれども、消費者が求めるより安全・安心な農産物の供給、さらには、それを通じました県産品のイメージアップ、あるいは競争力の強化、こういったことにつながるものでありまして、今後、佐賀農業の振興を図る上で極めて重要なものであるというふうに位置づけをしております。  とりわけ、委員御指摘がありましたが、平たん地に比べ、生産コストの低減等の取り組みがなかなか難しい面を持っている中山間地農業の活性化を図るという上からも、まさに有効な方策の一つであろうというふうに考えております。 117 ◯楢崎委員=次に、二点ほどまとめてお伺いしますが、今言われた環境保全型農業の推進目標というものをお持ちであろうと思いますが、その目標としてどのように考えておられるのか、その辺を一点聞かせてください。  続けて、環境保全型農業推進のための新たな取り組みについてですが、新年度から取り組む事業について、これは簡単な資料と予算の説明で聞いておりますので、その要点だけをお答え願いたいと思っております。 118 ◯小野原園芸課長=まず、環境保全型農業の推進目標からお答えをします。  環境保全型農業につきましては、県の重点実施項目にも掲げ、積極的に推進をしていくということにしております。これに取り組む農業者の割合につきましては、平成十四年度は一三%でございましたけれども、これを平成十八年度までには一〇ポイント高めて二三%にしていくということを目標としております。  次に、新たな取り組みについてでございますが、今後、県内におきます環境保全型農業への取り組みをなお一層促進、加速をしていくためには、土づくりを基本としながら、化学肥料、あるいは化学合成農薬の使用低減に取り組む農業者等に対する支援を強化していくことが重要であろうというふうに考えております。  このようなことから、平成十六年度からの新たな対策といたしましては、まず、米、麦、大豆におきます有機栽培などの取り組みに必要な機械・施設の整備に対する助成でありますとか、あるいはまた、園芸作物における有機栽培等への取り組みに必要となる生産者などが行われる技術の導入検討会の開催、あるいは実証圃の設置、さらにはハウス施設や堆肥舎などの整備に対する助成。加えまして、このようにして生産されました有機農産物等の需要拡大なり高付加価値化を図るための農産加工の開発、あるいはその改良、そういったものに必要な経費に対する助成などを行うこととして、今議会にその予算をお願いしている状況でございます。 119 ◯楢崎委員=そこで、私が思いますのは、農産物というのは、もともと自然の中で自然につくられるのが本来の姿だと思っております。きのうからいろいろ御質問もあっておりますが。一方、自然の中で人工的な力を入れてつくるものとは味や栄養分、または安全・安心の面で大きな違いがあると思っております。しかし、自然界の中で自然のものをつくるには技術も相当難しいと思いますし、また、条件も厳しいものがあろうと思っております。加えて、できた産品の品ぞろえとか、あるいは見た目だとか、そういうのは決してよくないかもしれないと思っております。そこのところを消費者にもわかってもらわなければならないと私は思っております。  きのうは、JAS法に基づくところの表示規定や、あるいは特別栽培の認証制度に基づく表示の説明、答弁があっておりましたが、私は、有機農産物等の販売促進という点からお伺いしたいと思っております。  それは、有機農産物等の販売促進を図っていくためには、例えば、今人気のある農産物直売所、県内には百六十カ所ぐらいあるんですか、ここにおいては生産者の顔が見えるように顔写真をつけてみたり、あるいはまた栽培方法の紹介をしてみたり、こういうことをするなどして生産者は消費者に信頼をされ、支持されるような販売活動も行っていく必要がありましょう。また、消費者も有機農産物等に対して理解することも必要じゃないかと思っております。  そういう面で、県がこれからこの有機農産物の販売促進という観点からどのような取り組みをされていくのか、これについてお伺いをしておきたいと思います。 120 ◯鵜池流通経済課長=お答えいたします。  有機農産物等の販売促進対策ということでございますが、委員御指摘されたように、現在、有機農産物等につきましては、まだその種類、あるいは生産量がまだ少ない状況にあります。しかも、販路につきましても十分確保できていないような状況にあろうかと思います。生産者等が行います販売促進活動をそういう意味から積極的に推進をしていくということで支援を考えておりまして、新たに平成十六年度から二十年度までを実施期間といたしまして、有機農産物等の販路拡大事業というものについての予算を今回お願いしているところであります。  特に、生産者が取り組みます店頭において消費者に直接売り込むような販売促進フェアの実施を初めといたしまして、栽培方法や生産者紹介等の商品情報、こういったものを掲載したチラシやパンフレット、こういったものの販売資材の作成、さらには、消費者を招いて直接産地視察を行ったり、あるいは試食会を行ったり、生産者と消費者が意見交換会を開催するとか、こういった事業など、生産者の顔が見え、有機農産物等が消費者から信頼、支持、愛用されるような販売促進活動に対しまして支援を行うことといたしております。  また、有機農産物等につきましては、まだ消費者に十分理解されているとは言えない状況にあるということから、消費者への理解の醸成を図っていく必要があると考えております。  このために県としても、有機農産物が環境にやさしい栽培方法により生産された付加価値の高い農産物であることなどについて消費者に理解を深めていただくよう、例えば、県の広報誌、あるいは県のホームページ、こういったものを活用した周知、また、有機農産物等を取り扱います小売店や、議員御指摘されましたような直売所、こういったものを有効に活用いたしまして、パネルやリーフレット等を用いたPR、それから、各種のイベント、こういったいろいろな機会をとらえましたPR活動に取り組むことといたしております。  今後は、このような生産者等が取り組まれます販売促進活動へ支援を行いますとともに、消費者への普及啓発等を通じて、生産者と消費者の相互理解を図り、消費者が求めるより安全・安心な有機農産物等の販売が一層促進されるよう努めてまいる所存であります。 121 ◯楢崎委員=ただいまお答えをいただきました有機農産物の販売、あるいは流通面についてもしっかりと取り組みをされますようにお願いをいたしたいと思っております。  次に、中山間地域総合整備事業についてお伺いをいたします。  中山間地域は、県内でも大分広い面積があろうと思いますが、もともと中山間地域というのは、平たん地域に対しての言葉だと私は思っております。平たん地に比べまして傾斜が急であるとか、あるいは一筆当たりの農地面積が狭いとか、要するに、農業生産条件が平たん部に比べると非常に歩が悪いということに加えまして、農業従事者の減少だとか高齢化、過疎化、こういうことが進みまして耕地の放棄というものが増加しておる、こういうような話も聞いております。このような農業生産活動の停滞や地域の活力が低下することを防止するためにも、これからの中山間地の農業というものを振興していかなければならないと思っております。  そこで、何点かお尋ねしておきますが、資料をいただいておりますので、簡潔に要点だけで結構でございます。今まで中山間地域総合整備事業を各市町村で実施されたと思いますが、その辺の実施状況がどうなっているのか、このことについてかいつまんでお答えをお願いしたいと思います。 122 ◯宮地農村整備課長=実施状況についてお答えをいたします。
     中山間地域総合整備事業につきましては、中山間地域の地域特性に配慮いたしまして、小規模な農業用用排水路や農道、区画整理等の生産基盤の整備に加えまして、集落内の道路、用排水路、農村公園、活性化施設等の生活環境基盤の整備を総合的に行いまして、農業・農村地域の活性化を図ることを目的といたしまして、平成三年度から実施をいたしております。  平成十五年度までに十五市町村の十六地区で事業に着手いたしております。このうち平成十四年度までに十一地区が完了いたしておりまして、本年度につきましても一地区を完了させることといたしております。  平成十六年度につきましては、厳木、西多久、太良、三瀬の継続四地区と、新たに平成十六年度新規地区といたしまして相知と富士南部の二地区、合わせまして六地区で事業を実施することといたしております。  以上でございます。 123 ◯楢崎委員=実施状況を聞きましたが、そういう実施をされたところの地域の活性化事例についてということでお伺いすることにしておりましたが、状況は大体わかりましたので、この点は省きます。  次に、中山間地域総合整備事業の今後の取り組みについてということで、その状況についてお聞かせ願いたいと思います。 124 ◯上月農村計画課長=中山間地域総合整備事業の今後の取り組みについてお答えをいたします。  まず、中山間地域は、そこで適切な農業生産活動が継続的に、持続的に行われるということを通じまして、食糧の生産はもとより、下流域の洪水防止、水源の涵養、あるいは美しい農村の景観の形成といった多面的な機能を発揮しておるということが基本の認識でございます。  したがいまして、今後とも、これらのさまざまな役割が適切に果たされていくためには、農業の振興を通じて、その地域の活性化を図っていくことが極めて重要であるというふうに考えております。  このためには、例えば、水ですとか気候といった中山間地域特有の自然条件などを活用した多彩な農業の振興を図っていく必要があるというふうに考えております。  その農業の振興を図る下支えといたしまして、例えば生産基盤の整備なども必要ではないかというふうに考えておりますし、生活環境などの定住条件の整備、あるいは都市住民との交流の促進なども必要であるというふうに考えております。  これらの整備、あるいは取り組みの促進を総合的に対応できる事業といたしまして、中山間地域総合整備事業は中山間地域の活性化に対して大変有効な事業であるというふうに考えておりまして、県といたしましては、これからも地元市町村ですとか農業関係団体等とも十分に連携を図りながら、この事業が中山間地域の活性化につながるように取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。 125 ◯楢崎委員=今後の取り組みについて状況を聞かせてもらいました。計画的に進められますようにお願いしておきます。  次に、棚田サミットのことについて、二、三、お伺いをしておきたいと思います。  棚田といいますのは、中山間地域の中でも勾配のもっときついところを棚田というふうな取り扱いがされております。この棚田サミットが、ことしは相知町で行われることになっておりますが、棚田サミットは、平成七年から毎年実施されてきております。過去に本県では西有田町が平成八年に棚田サミットが開催されております。  各地で開催されました棚田サミットでは、さまざまな共同宣言とかされておると聞いておりますが、こういうサミットでの提言というものは、棚田保全に関する国の施策にどのように生かされ、もしくは反映されているのか、その辺の実績についてお聞かせ願いたいと思います。 126 ◯上月農村計画課長=棚田サミットにおける提言の国の施策への反映についてお答えをいたします。  国におきましては、棚田の保全というものについての国民の理解、あるいは支援の盛り上がりといったものも受けまして、例えば、棚田地域の農地や施設の整備を行うための棚田地域等緊急保全対策事業ですとか、あるいは棚田地域住民による棚田の保全活動を支援するための棚田地域水と土保全基金事業、あるいは平たん地域との生産条件の格差を是正する中山間地域等直接支払制度といった事業制度を創設しておりまして、これらの動きは委員からお話のありました棚田サミットの開催ですとか、そこでの提言が、これらの制度化につながったものであるというふうに認識をいたしております。  県といたしましても、これら国の制度化に合わせまして、棚田地域の支援策としてそれぞれの事業に積極的に取り組んでおるところでございます。  以上です。 127 ◯楢崎委員=ありがとうございました。  それでは、この棚田サミット、ことしは九月の三日、四日に相知町で実施をされることになっております。昨年六月に、産業常任委員会の皆さんに相知町の蕨野の棚田展望所から視察をしてもらったところでございます。  御案内のとおり、ここは風光明媚というより、江戸の初期ぐらいからあった棚田が千五十枚というふうに言われております。ここではその地域の特性を生かして、標高差で言いますと海抜百八十メートルから四百二十メートルまでのところに水田をはりめぐらかしまして、「夢しずく」という棚田米を栽培しております。こういう中で石垣積みの最も高いのが八・五メートルで日本一であるということで御案内されたところであります。  この棚田サミットのある相知町では、サミットとか全国大会といいますと一過性のイベントというふうに思われがちなんですが、ここはそういうものじゃなくして、以前から棚田米の産米、販売、都市との交流によります体験農業、あるいは収穫祭、また、最近では佐賀大学の研究、教育の場として、通年、中山間農業、その中でも棚田の有効活用ということで幅広い活力ある農業を営んでおられます。こういうところでの棚田サミット開催でございまして、ことしは特に第十回という節目の大会でもございます。  県からもいろいろと、新年度予算では県の基金の方から六百万円ほどの補助金というものを組まれておりますが、そういうものに加えましてソフト面、ハード面において引き続き御支援をお願いしたいと思っておりますが、その辺の支援の考え方についてお聞かせ願いたいと思います。 128 ◯上月農村計画課長=今回行われます棚田サミットに対する県の支援についてでございますが、まず、県といたしましては、このサミットを県内の各棚田地域において、棚田地域の、あるいは棚田の保全に活動しておられる地元の住民の方々の棚田保全に対する機運を高める一つのきっかけになるというふうに考えております。  もう一つは、広く県民の皆様に環境保全ですとか、あるいは食糧生産といった棚田の持つさまざまな機能の重要性をアピールする大きな機会でもあるというふうにとらえておりまして、このサミットの実施主体であります二〇〇四年全国棚田サミット実行委員会、これは相知町、あるいは佐賀松浦農協さんなどで組織されておりますが、この実行委員会に対しまして、今、議員からも話がございましたように、開催経費の一部を補助するということをまず一つ考えております。また、それ以外に、例えば唐津農林事務所ですとか東松浦農業改良普及センターにおきましては、この実行委員会の会議に積極的に出席、参加いたしまして、サミットの企画などにアドバイス、情報提供するというふうな活動もしております。  県といたしましても、このサミットの趣旨を踏まえまして、こういったさまざまな形でこれからも支援に努めていきたいというふうに考えているところでございます。 129 ◯楢崎委員=棚田サミットというものを一つの契機として、お聞きしますと、県内には棚田というのが約七千ヘクタールぐらいあるというふうに聞いております。そして、その棚田のうちで棚田百選に選ばれているところが県内に六カ所もあるそうです。  今年度は相知での棚田サミットでございますが、このサミットを契機として、県内全部の棚田地域の活性化につながるように、その辺のお考えをぜひしてもらいたいと思っておりますが、県は棚田地域の活性化にどのように取り組むのか、県全般についての方針をお聞かせ願いたいと思います。 130 ◯上月農村計画課長=まず、サミットを契機にして棚田地域の活性化をどのように図っていくのかということでございます。  棚田を保全して、それを地域の活性化につなげていくということの考え方として、まず一つ目といたしまして、例えば、清らかな水ですとか、あるいは冷涼な気候といいますか、棚田地域特有の自然条件、平たん地にはない特有の自然条件を生かした棚田米の生産、販売ですとか、美しい景観を活用した都市との交流など、棚田の地域資源を生かして都市住民にそれをアピールしていくことが一つ重要なことであろうというふうに考えております。  そこで、この棚田サミットを契機といたしまして、今申し上げました棚田地域のすばらしさ、それともう一つ重要なことは、棚田というものは地域の方々の不断の、日々の努力によって維持されておるのであると、このことを都市の住民の方にアピールすることが重要だろうというふうに思っておりますので、このサミットを契機といたしまして、今申し上げましたような情報を佐賀県から全国に発信する、あるいは佐賀県の棚田を全国に向かってアピールしていくことによりまして、佐賀県全体の棚田地域の活性化につなげていきたいというふうに考えております。  以上です。 131 ◯楢崎委員=中山間地域農業及び棚田サミット関係につきましては、以上で終わります。  最後に通告しております食育の推進ということについて、三、四点、お聞きをしておきたいと思っております。  食育という言葉は、去年あたりの農業白書から使い出されておりますが、もともとこの用語は我が国には古くからあったそうでございます。教育議論をするときに知徳体といって、知育、徳育、体育、この三つは使ってきておりましたが、もう二つありまして、才育と食育です。私は、この五育といいますか、この中でも食育というものは、これから非常に重要視していかなければならない言葉だと思いますし、また、内容だと思っております。  今日、日本の食糧自給率は四〇%というふうに我々は言葉を使っておりますが、これは先進諸国の中では最も低いと言われております。六〇%を輸入しているというのに、食べ残しの量は、この前もこの委員会で話が出ておりましたが、食べ残しの量は七百二十万トンと推定されております。金額も相当なものになると言われます。これは国内で生産する農水産物の生産額にも匹敵するようなものが捨てられているといったような記事が新聞に出ておりました。そういうことを聞きますと、びっくりもしますし、大きな矛盾と問題点を私も痛感いたしております。  我々年代は、弁当箱のふたについた飯粒から先に食べる、物は残してはならないという世代に育った私たちから見ると、現在の飽食、あるいは食の乱れというものは、大変嘆かわしく思っております。子供のころから望ましい食習慣、あるいはまた食文化というものを身につけさせ、食に関する情報を正しく理解させる、いわゆる食育というものがこれから必要だろうと思います。  食を通じて農を考える、あるいは農から見た食育の観点というものについて、二、三、お尋ねをしておきたいと思っております。  まず最初に、食育基本法の概要についてでございます。  これまで食というものにつきましては、平成十二年三月に農林水産省など三省で食生活指針の決定がなされておりますが、昨年暮れごろより食育を広く国民運動として進めるため、我が自民党本部の方では、食育基本法制定に向けての検討がなされております。これにあわせて関係省庁でも、この基本法に盛り込むべき基本施策の検討がなされておると聞いておりますが、まず、この基本法の概要を県はどのように把握されておるのか、そこからお話を聞かせてもらいたいと思います。 132 ◯山内農政課長=食育基本法の概要でございます。  御承知のとおり、自由民主党の食育調査会におきまして、議員立法という形で食育基本法の制定に向けました検討が現在進められております。これは新聞報道でございますが、去る二月二十七日、食育基本法の大綱が明らかにされております。  その主な内容を見ますと、国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成に資することを旨とするなどの基本理念を初めといたしまして、食育の推進に関します国等の責務、また、家庭、学校、保育所等におきます食育の推進や、地域におきます食生活の改善のための取り組みの推進などの基本的施策、こういったものが主な内容となっております。  なお、この基本法案につきましては、三月中にも今国会に提出されると承知いたしております。 133 ◯楢崎委員=私も、新聞情報、また、党の機関紙を見てみますと、考え方としては基本理念が定められるのは当然でありますが、国民運動としてこの運動を展開したいということ。それから、推進本体を地方公共団体、県や市町村に推進の主体性を持ってもらう、こういうようなことで進められると聞いております。  そういうことで、これは各省庁にわたることでありますが、農林水産省における食育の進め方の基本施策というものについては、どのようにつかんでおられるのか、教えてください。 134 ◯山内農政課長=農林水産省におきます、この法案に係ります基本施策についてでございます。  農林水産省では、この法の中に盛り込むべき主な基本施策といたしまして、一つには、国民一人一人の食の生産等に関する理解の促進のため、農林水産物の生産、あるいは食品製造、さらには流通現場におきます体験活動の実施や学校給食への地場農林水産物の供給。  次に、望ましい食生活の普及啓発の充実のためということで、食生活指針に基づきました日本型食生活の提示、それから、地域におきます食育推進を主体としたボランティアの育成。  三つ目といたしまして、生産者と消費者等との連携の推進によります食糧消費の適正化の充実のために、地産地消の取り組みの推進や地域食文化の継承活用の促進、食べ残しなどを減らすための取り組みの促進、こういったものにつきまして検討がされているところでございます。 135 ◯楢崎委員=基本法の動きなり、あるいはまた、本省におけるところの考え方なり、そういうことを聞いてまいりました。  次に、県として、また県の農という窓から見たとでも申しますか、こういうふうな見方による食育推進の基本的な考え方についてお聞かせ願いたいと思っております。 136 ◯山内農政課長=食を支える農という観点からの食育推進の基本的な考え方ということでございます。  近年、食生活の乱れとともに、消費者等の食糧の生産現場への関心や知識が低下するなど、食と農の距離が拡大しております。一方、食の安全性や健康に対する消費者の関心というものが非常に高まっている状況にございます。  このような中、食育を推進していくことは、食べ物や生産を担う農業者への感謝する心をはぐくむとともに、地域の農産物の生産、流通に対する関心を高め、また、農業体験等を通じて食と農についての理解を深める、こういったことで生産者と消費者との信頼関係を構築し、農業・農村の活性化、ひいては食糧自給率の向上につながることが期待されます。このようなことから、農業・農村の振興の観点からも食育は極めて重要であると考えております。  今後、国の食育基本法制定等の動きを注視しながら、本県での食育の推進につきまして、厚生部、あるいは教育庁、さらには関係部局や関係団体などと十分連携して今後取り組む必要があると考えております。 137 ◯楢崎委員=最近、本県の農業というものについて私なりに考えておりますのは、私は、佐賀県は米を初めとする農業県だと自負しております。一部に佐賀県は農業県といいながら、米にしても全国シェアから見ると生産量そのものは一けたパーセントのシェアにすぎぬじゃないかと言う人もおりますが、日本の食糧の自給率を都道府県別に見てみると、北海道の一九〇%をトップに、我が佐賀県は一〇〇%と全国で六番目、一〇〇%を超すのは佐賀県を含めて六道県ぐらいしかないわけです。こういうふうなことを見ると、これこそ、本県は農業県であり、米作を中心として今後とも進展をしていかなければならないと私は基本的に思っております。  聞くところによりますと、ことしは国連の「国際米年」というふうにもなっております。これは米が果たす役割に対し、世界の注意を喚起していくことにもなっております。こういうことで食を取り巻く環境が変化する中で、健全な食生活の実現や、また、消費者と農業者の交流などを通じた食に関する県民の理解を促進することが求められているものと思います。  そこで、通告している最後の質問をいたしますが、先般、九州農政局が発表した九州農業白書でも食育という言葉を使った特集をしております。今日の食生活の乱れは、個人的な問題では済まされないと思いますし、また、食育の必要性を強調しております。食育というものは、環境論も一緒ですが、どうしても理論先行型になりがちですが、この理論先行型では進まず、具体的な行動と、その積み上げ、習慣化が必要であろうと思います。今後、具体的にどのような取り組みをなされていくのか、まずは農政課長にお伺いをいたします。その後にまたもう一つ聞かせてもらいますが、まず農政課長、よろしくお願いいたします。 138 ◯山内農政課長=具体的な取り組みということでございます。  私どもといたしましては、農業体験や地産地消の推進の観点から具体的な取り組みといたしまして、消費者の方に農業に対する理解や県産農産物の支持、愛用を促進するさが農業・農村ふれあい運動を展開しております。  さらに、学校給食の場面で、ふるさとの食の日支援事業によります県産農産物の利用促進、さらには、体験という観点からの田んぼの学校支援事業によります小学生を対象とした農作業体験や水田の持つ役割の学習、こういったものに取り組んでおります。  また、地域の伝統食の継承や県産農産物を活用いたしました健全な食生活を推進するため、佐賀の食推進事業といたしまして、昨年度、県内各地域に伝わります郷土料理や県産食材の産地情報などを紹介いたしました料理集の作成・配布などを行いました。  本年度は、消費者、学校栄養職員などを対象に、食育をテーマといたしまして講演会、あるいは子供たちに食べさせたい、あるいは伝えていきたいという郷土料理を紹介する交流会の開催などに取り組んでおります。  今後、こうした取り組みを積極的に進めますとともに、先ほどの国の食育基本法制定の動き等を踏まえながら、厚生部や教育庁などの関係部局や市町村、農業団体、食生活改善団体などとの連携を十分に図って、本県での食育が今後一層促進されるよう努めてまいりたいと考えております。 139 ◯楢崎委員=それでは、最後に農政部長にお答えをいただきたいんですが、今までいろいろと食の安全・安心を初めとした農業・農村振興、あるいは食育ということについてお聞きしてまいりましたが、農業というのは、ただ単に食をつくる産業というよりは、暮らしをつくる産業であるというふうにさえ私は思っております。農業あって人の生活、あるいは人の定着というものが始まっており、これからもその役割を農業が果たしていくものと思っております。  そのためにも食糧自給率を高め、二十一世紀は食を支える農業の時代とも言われておりますので、その精神に基づいて生産、流通、消費の各過程において、安全・安心が確保されるためにも農業・農村の振興が大事に進められますように、最後に、これからの農業施策の展開について農政部長の所信をお伺いいたしまして、質問を終わります。どうぞよろしくお願いします。 140 ◯野口農政部長=お答えいたします。  これからの農業施策の展開ということでございますが、御承知のように、今日の農業は、担い手の減少、新たな米政策への対応、さらにWTO農業交渉等に見られます海外からの輸出攻勢の強まりなど大きく変貌いたしておりまして、一段と厳しさを増していると、このように認識いたしております。  このような中、佐賀県農業の振興を図っていくためには、消費者の視点を一層重視する必要がありまして、つくる農業から売る農業へと転換を図って時代の変化にいち早く対応いたしまして、佐賀農業を特色あるものにしていくことが極めて重要であると考えているところでございます。  このため、これからは特に消費者が求めますより安全・安心な農産物の生産を拡大するような環境保全型農業を積極的に展開をする。また、国内外の産地間競争に打ち勝つ、いわゆる守りの農業から攻めの農業へと戦略的なマーケティングの構築を図っていく。さらに、農業を生業とするいわゆるプロ農業者でありますとか、水田農業における経営を一体化した効率的な集落型経営体の育成に取り組むということとともに、棚田やクリークなど、佐賀ならではの美しい景観を生かした農村づくりなど、こういったことを進めていかなければならないと考えております。  今後、このような取り組みとあわせまして、県民の皆さんの農業・農村への理解と県産農産物の支持、愛用、また、食育への取り組みなどを一層進めまして、生産者と消費者との信頼関係を築きまして、佐賀県が文字どおり農業県として再構築されるよう、その振興になお一層努めてまいりたい、このように考えております。  以上でございます。 141 ◯岸本委員長=これにて質疑を終結いたします。  暫時休憩します。     午後二時五十三分 休憩     午後二時五十四分 開議 142 ◯岸本委員長=委員会を再開します。  これより討論に入りますが、ただいまのところ討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終結し、直ちに採決に入ります。     ○ 採     決 143 ◯岸本委員長=まず、甲第一号議案中本委員会関係分、甲第四号議案、甲第五号議案、甲第九号議案、甲第十二号議案、甲第十四号議案中本委員会関係分、甲第十七号議案、甲第十八号議案、甲第二十二号議案、甲第二十五号議案、乙第十九号議案、乙第二十号議案及び乙第二十九号議案、以上十三件の議案を一括して採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 144 ◯岸本委員長=全員起立と認めます。よって、以上十三件の議案はいずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。     ○ 継 続 審 査 145 ◯岸本委員長=最後に、十一月定例会から引き続き審議中の  一、経済行政について  一、農業行政について  以上二件につきましては、諸般の検討を要しますので、閉会中の継続審査といたしたいと存じます。これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 146 ◯岸本委員長=御異議ないものと認めます。よって、以上二件の継続審査につきましては、この旨議長に申し出ることにいたします。  以上をもちまして、本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。  これをもって産業常任委員会を閉会いたします。どうもお疲れさまでございました。     午後二時五十六分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...